褒め方の種類

褒めるって、実は3種類に分かれているように思います。
一つ目は、自分が目に付いたところを褒める
二つ目は、相手が褒めて欲しいところを褒める
三つ目は、相手が既に持っているものや相手がそこにいることを褒める

この3つをごっちゃにして、褒めるならなんでもいいんだろうとたかをくくっている人

がいます。
いえいえ、褒めればいいというものではありません。

試しに自分が褒められた時を振り返ると、「うーん、そこじゃないんだけど・・・」とか
「ふぅーん」程度だったり、「わざとらしい」とか「へつらっている?」と感じることも
あるかと思う。
そういうときは大概一つ目の褒め方なのだ。

二つ目の褒め方をしたときは、相手がにこっと笑う。そして相手は饒舌になる。
心の中で「あー分かってくれている人がいるんだ!」という喜びで満たされる。
そして「分かる人には分かるんだ。やっぱり誠実にしていてヨカッタ」と思う。
ごく少数の観察眼のある人だけができる高度な褒め方だ。

そして三つ目の褒め方をしたとき、相手は最初「そんな当たり前のこと褒めるかい?」
と怪訝な表情をすることもある。ただ褒め側が心から相手を認めてその発言になって
いるときは、自然と言葉の端にその気持ちが込められ、徐々に「この人、ホンキで
自分を受け入れてくれてるんだ!」と受け取られるようになる。
もちろん信頼関係の成立している者どうしの間で発言したときは、より結束力を高める
ことだろう。
これはカウンセリングで使われる技法に近い。
練習すればだれでも出来る褒め方。

世間一般には、平均よりも秀でたところがあって初めて褒められるという認識が
強い。(一つ目のケース)
それも褒める領域は限られていて、①誰かに利益をもたらすとき②ステータスが
高いとき③経済的に優れるとき なのだ。
この3点のみが褒められる対象だからこそ、皆は学歴、会社、年収に拘り、家で
良い子を演じる。

でも、もしそういう限られた世界から抜けて、存在そのものを褒められたり、笑顔を
褒められたりする世界になったならば、もっと人それぞれの幸せが生まれるのでは
ないかと思う。

褒め方を変えれば、価値観が変わる。幸せの基準が変わる。
ここで、もう一度”褒め”について考えてみてもいい時代なのかもしれないね。