カウンセリングとはなんなのか

相談に乗ること自体は、生活の中であることだ。
ところが名前を変えて「カウンセリング」というものがある。
これは場所・時間が限定され、有料だ。

「解決!ナイナイアンサー」で芸能人の悩みに相談員が答えていく様子を見ていて、相談員は皆真剣だし悩みを解決してあげたいという熱意はあるのだけど、なんとなく本質まで迫りきってないなぁと感じるときがある。
そこで心屋氏が話し始めると、空気が一変する。

TVの向こうの人までもが、心から納得するのだ。

それが相談とカウンセリングの違いだと、私は思う。
相談に乗るというのは、困り事==表出している問題 に対する対処法を授けることである。
カウンセリングは、問題が表出する原因に切り込んでいくことである。

心理的傾向があるからこそ、人はクセと呼ばれる思考パターンを繰り返す。
そのパターンが、周囲から似かよった反応を引き出す。
友達が出来ない人はずっとできないし、卑屈な人はずっと蔑まれるのはそれ故。
だとしたら、サークルに入るとか、明るい話題を提供するとかの対処法を授けた所で、また違う状況で思考パターンに支配され、元の世界に引き戻されるのだ。

だからこそ、「なぜ、その思考パターンになったのか?」を考えることが重要になってくる。
その心当たりを見つけることで、自分のクセの原点を理解し、思考パターンを手放してもいいかなという気持ちが生まれる。

この作業を相手に促すには、鋭い洞察力と言葉の裏に隠された心理を見抜かないといけない。
それゆえプロの領域、つまり仕事として成り立つのだ。

知識や専門性だけでは立ちゆかない人間に対する深い造詣が求められる。
一流と呼ばれるカウンセラーは皆、これを携えている。
知識も必要だけど、何にもまして人間へ愛と飽くなき探求心が人の心を救うのです。

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