相談ありがとうございます?!

メールで初回無料カウンセリングを受けられるサイトでよく見かける第一声。
「この度は、相談いただきましてありがとうございます」

何の変哲もないこの言葉に長いこと引っかかっていた。

それは、カウンセラーは報酬もないのにその人に時間を割いている。なんで御礼?むしろ言われる方でしょ?という思いからだ。

さらに深く考えていくと、それ以上にカウンセラーがエゴイスティックではないかという思いが湧いてきた。

カウンセラーとて一人の人間。
承認欲求はある。相談されたと言うことは、自分(カウンセラー)に価値があると相談者に言われていることになる。その承認が喜ばしいことなので、まずは御礼をという気持ちなのだろう。
もちろんそこまでカウンセラーは自らを分析せず、通り一辺倒の対応をしている可能性も否定できないが、心の奥に承認の喜びが微塵くらいはあったろう。

さて、相談者と交わす最初の言葉が、カウンセラーを満たしてくれてありがとうだった場合、そのカウンセラーは相談者のために働ける人だろうか?
私はそう思わない。
どこかでカウンセラーを満たすための相談者という関係を求める気がする。

そこそこの技術を持ってカウンセラーが相談に乗れば、相談者にとって意味のある場となるだろう。
きっとやりとりする文章の最後に「○○さんに相談に乗ってもらって心が整理できた」とか感謝の言葉が並ぶ。
美しい終わり方だ。
でもなんか足りない。

相談者は本当に救われたのだろうか?
承認を求めるカウンセラーと、葛藤まっただ中の相談者。
その二人が交流すると、何が生まれるのか。
そしてそれは相談者の求めるものなのか。
対処療法、巧妙なフレーミング、慰めの言葉だけでは、救われない心があると思うなぁ。