親が子に授けるべき力

ふっ と親が子に授けるべき力は、勉学をする力でも、お金儲けする力でも
なく、生きる力なのではないかと思った。

人は生まれて最初に接するのは親である。泣くことしかできない赤ちゃんは

目の前の人間を信じて、生きるしか選択肢はない。
その親が、赤ちゃんの存在を否定したら、赤ちゃんはどんな人格になるだろう。

事ある毎に否定されると、人は自己内に自分を否定する人格を形成する。
そして、ちょっと失敗したときや、もしくは失敗していないときでも、「おまえは
ダメな奴だー。」とその人格が言ってきて、そうなのかなと落ち込む。
すると、自分に価値が見いだせなくなり、究極まで考え詰めると最悪の選択をする。

-生きていればなんとかなる-のはその通りだと思う。
だけど、生きていることが条件。
今日生きていても、明日自ら命を絶つかもしれないという状況は、とても生きて
いるとは言えない。
生きていて楽しいなとか、生きていることが当然と思って初めて、「じゃあ、つぎ
何する?」という考えに移れるのだ。

だから、親は子が立派になって欲しければ、子が生きるということに前向きに
なれるように、「あなたがいてくれて、私は嬉しいよ」というメッセージを
子育ての端々に散りばめて欲しい。そして、我が子の存在そのものを愛おし
んでやって欲しいと思う。
単純に、ただそれだけをすれば、子は生きる力を身につけ、学校や社会に出て
周りとやりとりをしながら、自ら学んでいくことだろう。

生きるって当たり前のようで、当たり前でない。親が授けるべきは、その
「生きる」ための力なのだろう。