素人に相談とプロに相談の違い

相談に乗るって誰にでもできそうな行為に見えます。
だからお金を払ってプロに相談するってどんな意味があるのか?と思うのも仕方ない
でしょう。

そこでありがちな悩みに対して、素人とプロではどう違うのか考えてみました。

<例>

結婚したい40才女性。
結婚相手の条件は、
イケメン・性格良・年収1000万円以上・家事ができる・束縛しない・専業主婦希望。
まともな男性がいない。どうしたらいい?
という相談。

素人がやりがちな対応
1.相談者の思考を痛烈に批判。現実に合わない考え方の矯正を試みる。
2.自分(既婚者)がどれだけ幸せかを自慢。
3.夢見がちな条件を一蹴した後、「勝手にすれば」と放置。

1.の対応をする人は、「自分のない人」。
世間一般に合わせて生きていればいいという考えの持ち主。
まあ結婚は世間の人とするので、そこそこ的を射ているかも。

2.の対応をする人は、「心の不幸せな人」。
本当に幸せな人は、わざわざ幸せをひけらかしたりはしません。
自慢したいということは、認められない日常の不満の現れです。

3.の対応をする人は、「他人に興味がない人」。
いわゆるシゾイド傾向のある人です。さっぱりしていて、つきあいやすいけど、
頼りにはならない存在です。

ではプロが対応するとどうなるのか。
条件の一つ一つを本人に丁寧に質問します。
その上で、条件を絞り、求める程度を緩和する方向に話をもっていきます。
本当にそれが必要なのか、生きていけないほどなのか、それとも嗜好の範囲なのか。
他人にうらやましがられたいという欲があるならば、その欲の出所を探ります。
自分で自分を認めていないから、パートナーに完璧を求めることで、完璧な自分に
なろうとしている事実を本人に気付かせます。

そうやってこんがらがった「当人の求めるもの」を紐解いて、整理していくことを手伝い
ながら、当人の目指すべきところへたどり着かせます。

実は<例>の人は”正確な情報フィードバック”がかけられていません。
通常は、何かを求める→壁にぶつかる→原因の心当たりを探る→改善策を講じる
→リニューアルした何かを求める→以下同じ
というループを繰り返すことで、求めるものが徐々に現実に即していくのです。

ところが、このフィードバックループが寸断されていたり、分岐して「運が悪い」
や「環境が悪い」にたどり着くと、そこで行き止まってしまうのです。
そのまま何年もその場所に留まっていると、焦りは増えるが次のステージに進めず
という状態で膠着します。
最悪の場合、膠着状態からスタートへ戻って「何かを求める」の何かが膨張し
始めます。
こうなってくると、手が付けられなくなります。

プロは全体像と問題点の把握に長けていますから、膠着状態を見抜き、
必要な所を補完して、無理なく相談者を行き止まりから解放することができます。

お金をかけてでも解決したいのか、無料でお気軽に意見が欲しいのかによって、
相談を持ちかける人は変わります。
両方の特性を知った上で上手に利用すれば、人生の悩みを効率よく消化できますね。