メールの返事(2014/08/14)

奥山さんへ

はじめまして。
病院でずいぶんな対応をされましたね。さぞかし落胆されたことでしょう。
心中お察しします。

患者さんは今辛いと思っている症状をなんとか改善したいとわらをもすがるつもりで病院の門を叩きます。

病院側は表向き「どんな相談もお気軽に」と言っているので、患者さんが淡い期待を寄せてしまうのも当然です。
ところが、実際医師にも得手不得手があり、さらにはその医師の生き方や思想によって患者さんは救われもし、見捨てられもする。

ある意味でどの医療機関にかかるかは、運・不運なところがあります。

貴方の傷ついた心は、アスペルガーのパートナーをもった人に多く見られる「カサンドラ症候群」に近い状態なのでしょう。
どんな人も等しく「相手が自分を大切に思ってくれている」と感じていたい。
しかしアスペルガーの相手にそれを期待することは、とても苦しいことです。
なぜならアスペルガーの人は、人の心を推測するということがほとんど出来ない状態ですから。

相手に思いを掛けられない状態が続くと、人は「私って価値がないのかな」と自分の存在に疑念が生まれ、うつ状態になります。
それを脱却するためには、奥山さんが欲しているような「辛かったね、悲しかったね」という共感や、「よく耐えたね、これからは力を合わせて自分を取り戻していこう」という励ましが必要なのです。

そのために医療の門を叩いたのは、勇気のある正しい行為だと思います。
ただ「運」が悪かった。

希望されている「話を聞いてくれる場所」の紹介については、私自身自分でケアした部分が大きく、ご期待には添えませんが、代わりにどうしたらいいかについては、多少お伝えできます。

・ブログ・掲示板などを通じ、同じ痛みを分かち合う
・関連書籍を読む
・ノートに思いの丈を書き殴る
・自分の心が安らげる対象を探す(私の場合は小さい頃に読み聞かせをしてもらった絵本を手にすることでした)

独りぽっちだと思うから、見捨てられたと感じるから、辛い気持ちに押しつぶされそうになるのです。
世界の片隅でもいい、仲間をさがし、心を整理し、自分の心をケアすることにより、少しずつ元の心を取り戻すことができるのです。

そしてその先に自分がなぜこの相手を選んだのか?選ばざるをえない弱さがあったのではないか?と問題の根本への思考も深まるのです。

DVを受ける人は、お相手が変わろうとも同じように暴力を振るわれる。
アスペルガーと付き合う人は、また似たようなタイプの人とくっついてしまう。
本人がそれを望んでいなくとも。相手ばかりに問題があるのではありません。
貴方自身にも問題はあります。

貴方が本当に立ち直れるときー それは単に前の自分に戻っただけでなく、前の自分よりも強くなったときです。

存外人というのはしぶとく強いものです。
このまま、へこたれっぱなしでいいんですか?
はね飛ばしてやりましょう。
まだまだ30代。力があります。
これから幸せな未来をつかむために、ここは一丁踏ん張って。
足下からやれることをやりまっしょい!!

By KOMA