アダルトチルドレンのカウンセリングでぶちあたる壁

いままでカウンセリングを受けてきて、そして施してきて、

アダルトチルドレンがぶちあたる壁はなんでいつも同じなんだ?

とつっこみたくなるほど、同じところにたどり着きます。
これって偶然じゃないよね? 

偶然じゃないとしたら、そこになにかあるよね? という考えに至ったので、「アダルトチルドレンのカウンセリング」に特化して、考えてみたいと思います。

自分の経験からカウンセリングでぶちあたった壁

だいたいのカウンセリングは、「好きなように話してくださいね~」と言われるので、気になったことや恨んでること・怒ってることを脈絡なく話します。

ほとんど「うん、うん」って聞いてもらえるし、話してるうちに感極まって涙が出てきて感情が洗い流され、終わったあとはスッキリするんです。

でもカウンセリングが終わって1時間もすると、あの爽快感はどこへやら、また濁った日々が戻ってきます。次に爽快になれるのは4週間後。それまで濁った世界で生き続けなければなりません。

これを繰り返し経験すると、”この短期の爽快感のために、高い料金払ってる?” という疑問が発生します。
私が得たいのは、爽快感じゃなくて、我慢しなくても立ち向かえる強さ。なんか違う。

そこで、4週間後カウンセラーに「どうやったら我慢せずに自分を出せますか?」と訊いてみます。
カウンセラーは「○○したらいいですよ」と教えてくれます。言われれば確かにそうです。でも私には思いつかない。思いつかない自分をどうとかしたい。

頭よくなりたい

頭さえよくなれば、自分を出せるんじゃないか?と思うんです。そこで「言い返し方の本」を読んで学ぼうとします。言い返しの知識を蓄えてパターン化しようとする作戦です。
ところが、全然頭に定着しない?!

私ってバカ?

そこで、またカウンセラーにここまでの経緯を伝えて、どうしたらいいのか? を訊きます。
カウンセラーは言葉に詰まります。具体例に対しては答えを出せるけど、言い返し方のセオリーは持ち合わせていない。なので、”どうしたもんやら” と押し黙ってしまうのです。

クライアントの立場だった私から見ると、どうやらカウンセラーは”言い返せない” ということに理解が及んでいないようでした。感じてることを出せないというのは、想像の外だったようです。

「言いたいことを言えない」が想像の外のカウンセラーに、言いたいことが言えずに困っている私を救えるはずがありません。結局どのカウンセラーと向き合っても、私がぶちあたってる「いいたい事が言えない」壁を乗り越えることはできませんでした。

セルフカウンセリングしたときにぶちあたった壁

プロにお願いしても、解決しない、となれば、自分でなんとかするしかありません。
絶対に実現しないけど、簡単に解決するには、親に愛されて自己肯定感を高める経験を積む。

まぁ、所詮無理ですけど

次に身近な人に愛される。これも該当する人、見当たりません。
じゃあ、次、本。
これならいっぱいありそうです。
図書館で来る日も来る日も本を借り、読みあさりました。
どれも的を射ているようで、なぜか身体の表面だけをさら~っと撫でていくように通り過ぎました。

本でいってることはきっと合ってるんです。でも染み入ってこない。

自分の心に訊いてみましょう~、といった文中のお題に対しても、訊いたら「空っぽでした」という答えしか返ってこない。
なにもない自分に心底驚きました。

結局試行錯誤の上、正攻法ではない(それも一種類ではない)方法で、ACを薄めることに成功したのでした。

カウンセラーとしてみたクライアントのぶちあたる壁

何人かの方をカウンセリングしてみて、みなさん私と同じ壁にぶつかっています。

自分を見つけられないんです。

あなたはどう考えますか? あなたはどうしたいですか? と意見を聞くとフリーズします。「わからない」と言います。
そりゃそうです。今まで生まれてから一度も、心の中を気に掛けられたこと、ないんですから。
「己を殺して家族のために尽くせ」「常識の枠の中で生きろ」という脅迫を受ける生活のどこに「自分はどう思うのか?」を気にする機会があったというのでしょう。

結局大人になってもなお、小さな子どもが無邪気にだっこをせがむのと同じ事が、できないんです。

それが、だっこをせがんでだっこされた人には想像できないんですね。
だっこをせがんでだっこされることをもって、自分は受け入れられるという肯定感が育つ。その肯定感があるから、嫌なことをされたときに言い返せるんです。言い返せる人と返せない人の心の中には歴然とした肯定感の差があるんですね。

ACに特有のカウンセリングの壁

「自分の意見を言わない」暮らしをしてきた人が、突如「言え」と迫られても、なにも搾り出せません。そこを理解した上で、どうやったら「自分の言いたいことを思い浮かべられるようになるか」に真剣に取り組むー そこがACカウンセリングの最初の壁です。

この壁を突破するヒントは、ACが語りやすい「周りはどう悪いのか?」「周りにどう治って欲しいのか?」です。
自分の外の話を、自分の内に向けるために、自分の意識をどのように介在させるか?と考えると、「自分がどうしたいのか」が見えてきます。

今まで考えたことないこと(自分の内に向けること)を、カウンセラーからの質問によって強制的に考えさせられることによって、自分が見えてきます。逆にこれをしないカウンセリングであれば、クライアントを変化させることはできません。

だからクライアントの話を聞くだけの傾聴カウンセリングでは、壁を乗り越えることはできないんですね。

ACに特化したカウンセリングをしているところは、この点への対処が優れていると思います。
カウンセリングを受けたくて病院を探している方は、自分にあう場所か見分けるために「ACが克服するのに一番大変なハードルはなんですか?」と訊いてみてください。「自分の意見を言えない」に類することを返してくるところであれば、きっとACに合った治療法を提供してくれると思います。

「心の流れ」でもカウンセリングをやっています。適切なカウンセリングルームが見つからないときは、こちらも検討してみてください。一般よりも安くカウンセリングを受けることができます。
www.kokorononagare.net