外国人のメッセージ

昨晩池上彰氏主演のニュース関連番組を視聴しました。
番組の最後に、外国の有名人から日本の被災した皆さんへのメッセージが
映し出されました。
メッセージには何度も「私たちはあなたと共にいます」という言葉が出てきました。

日本にいる我々は、ついつい、「がんばりましょう」「くじけないで」という今ではなく明るい未来に向けたメッセージを被災者にかけてしまいます。

だけど、自分の人生を振り返ったときに、とても落ち込んでいるときに、前を向こう
や変わろうと思えたでしょうか?
そこで耐えしのぐだけで精一杯だったと思います。
がんばれっていわれても、力が湧いてこないというのが正直なところではないでしょうか?

苦しい時、落ち込んでいる時、ロボットのように気持ちを切り替えて明るくなれません。
人間は心を持った存在なのです。
いきなりゴールにはたどり着けないのです。
一歩一歩ステップを踏んで、初めてゴールにたどり着く。

だから被災者にかける言葉は、明るい未来ではなく、辛い今だと思います。
辛い現状を辛いと感じること・苦境の中で生き抜いていることを改めて認めること。

生きていれば、何かはできる。それは真実です。
だから生きることはすばらしい。
生きているというそのことをもっと認めて、かみしめて、皆で分かち合えばいいのでは
ないでしょうか?

外国人は、宗教を信じている方が多いです。
神に生かされていると感じているからこそ、生きていることそのものに価値を見出せる
のです。
「生きている」ということを皆で共有する言葉として、「あなたと共にいます」が最適なの
でしょう。
国は違えど、今生きている私たちは同じ地球でこの瞬間に息をしている。
そういう仲間がいることに気が付くだけで、被災者の心の中に小さな勇気が芽生える
と信じて外国の方は言葉をつづっているのだと思います。

私たちも被災者が自然と立ち直れることを信じて、被災者の今にスポットを当てた
言葉選びをしてみませんか?
生きていることを認めてくれるだけで、辛い気持ちを共有してくれるだけで、ずいぶん
と強くなれるのですよ。