親が放つ毒

昨晩強制的に親が来て、一緒に食事をすることになった。
事前に聞いていないから、おなかは空いていないし、そもそも親に会うのは
嫌だったので、私はトーンダウンしっぱなしだった。

母親の発言はいつも私の心に鉛の重しを下ろす。

まず妹の冷蔵庫を見るなり「ちゃんとしたものが入っていない。」とか「卵はある」

とか冷蔵庫の所有者の考えを差し置いて、冷蔵庫批評をする。
親の思うとおりの食材が入っていないと、けなす。入っていたら、「大丈夫」と許可を
与える。
親は他者(妹)の所有物(冷蔵庫)までも、思い通りにコントロールしようとする。

つぎに食事どころにいって食事を口にしたとき「これ美味しいなぁ」という。
関西弁の語尾「なぁ」は標準語に変換すると「と思うでしょ?」だ。
つまり私(親)が美味しいと感じるものは、当然アナタ(子供)も美味しいと感じるわよね!
と同調意見を求めているのだ。
そこに「まずい」という意見を挟む余地は残されていない。

万事こういった調子なので、すべての会話に疲れる。
同調と支配といった類の会話が延々と続くのは、王様に仕えている家来の気持ち
そのもの。けして長居したいとは思わない。

妹の会話も親に似て自分と他者の区別が付いていない。
自分に都合のよいことはオーバーなくらい喜ぶけど、自分が聞きたくないことは、一切
耳に入れない。
自分に都合の悪いことは「そんなの本人の勝手やん」とはねのけるが、相手のプライ
ベートにはヅカヅカと入っていく。
自分で言っていることとやっていることに一貫性がないことに気がついていない。

親が振りまいたさまざま影響が、私の心にはらってもはらってもまとわりつく何かを
もたらす。

Sさんとも離婚したいし、親兄弟とも離れたい。
一人になりたい。
人を尊重できない社会は、やはり苦手だ。