草食系の思考

昨晩聞いたSさんの思考

「自分には譲れない所があって、それ以外はこだわらないので相手に合わせられる」

だいたいの人はそうですよ。なんでも意見がある人の方がむしろ珍しい。

ただ、草食系の<こだわらない所を相手にお任せします>といった相手本位なところが
ひじょーにマズイ。

Sさんの思考を問題なく運用するためには、
”人は自分のやりたいことを常に意識の上に登らせ、且つそれを言語として表現できる”
といった条件が必要になる。

実際人は弱っているときほど、あいまいな言葉しか口に出来なかったり、自分の要望
が何なのか把握できない。
例えば病気の時「助けて」「心細いわ」と言うことは出来たとしても、「今晩は、手を
寝るまでさすって欲しい」「××といった台詞を言って欲しい」ということはできない。

Sさんの方法論でいくなら、どんな要望も具体的に口に出さねばならないので、
相手が自分のことを気にしてくれているといった安心感を得ることは出来ず、
命令した内容を実行してくれるロボットがいるくらいの感覚しか持てない。

それも、自分の要望が口に出来ないときは、Sさんが勝手に判断することになって
しまう。すると相手からしたらSさんが横暴に振る舞っているように映る。

私が結婚するときに指輪を自分ではめたのも、KOMAさんが指輪をはめてください
と言わなかったから&自分で指輪をはめても不都合ないでしょうというSさん思考が
優先されたから なのだ。

頼りがいがあるとは、相手の考えていることに思いを馳せ、先回りして受け止める
機会を持つということ。もちろん100%受け止めたら、それはやり過ぎだけど
相手が真剣に困っているなぁ~、そして口に出して言えないだろうなぁ~と思った
ときには、相手のために率先して頭を働かす。
そうすれば、相手から私のことを真剣に考えてくれる頼りになる人と信頼される。

相手のことを想像しなくて済むなら、そりゃ~楽だけど、人と繋がるなら、自分の
考えとは違う考えを持つ相手のことを想像することが必要だ。
Sさんの考え方では、適用できる範囲があまりにも狭い。

私が草食系をお勧めしないのは、彼らの想像力の乏しさ故だ。
誰かと一緒にいるということは、誰かの力を時として必要とすること。
その力は、独りよがりの力の貸し方ではなく、相手に沿った力の貸し方であってこそ
本領発揮。

本当に草食系は、ひとりよがり星人だな~と思います。