無料のカウンセリングは存在しないことから考えてみた

私は、一般の人がカウンセリングを身近に感じることで、問題の発生時点で
解決に向けて歩き出して欲しいと願っている。
一人で悶々と悩んでいても、不安は増幅し、白黒思考に陥るばかり。
だから、誰かに聞いてもらうことで、冷静になり力も湧いてくる。

その一方で、クライアントとして、カウンセリングの敷居の高さを感じてきた。

1時間1万円といわれて、うっ・・・と詰まらない人はいないだろう。
少なくとも平均年収の人にとって、高額であることは確かだ。
もっと安価で、効果が明瞭であれば、利用する人が増え、心穏やかに暮らす人が
増えるかもしれない。
だから、敷居の高さを変えたくて、メールカウンセリングを受け付けている。

ただし、これは無料で行なっているため、数々の制約がある。
クライアントからすれば、一回といわず何回でも利用したいと思うだろう。
その気持ちも分かる。

が、人は無償労働を延々とはできない。
それは、働けども働けども、収入がなければ、人は動けなくなるからだ。
働くということに対し、つりあった対価がなければ、労働の継続維持はできない。

企業で働くと、外注を受けたときの人件費がおおよそで出る。
人件費は給与とは別である。あくまでも外の会社が一ヶ月雇ったときの金額。
過去に私に示されたのは専門職で150万円。
これは最低クラス。人によっては600万円くらいする。

仮に150万円で時給換算すると
1,500,000/22/14 = 4870 (22日労働 14時間勤務の場合)
約5000円の時給となる。

クライアントはカウンセラーに1時間の労働を依頼する。
すると建物代、光熱費、設備と事務員の人件費を加算して、まぁ一万円請求が
きても、そう高くないかなぁとも思う。
ただ、コスト積み上げ形式での算出は、競争市場において、怠惰にも思える。
もうちょっとがんばって、8000円くらいにならないかな?と思わなくもない。

一般人は、生活の中で人を雇うという経験がないので、人件費の相場がわからない
のは当然。
ただこうやって見てみると特殊技能の人を雇うのはそれなりの費用がかかるのです。

カウンセラーがぼったくっているわけじゃない。
発生する費用なんです。

でも、できれば無料がいいですね。

ですから、重くない悩みは心のおける友人に相談されるのがよいと思います。
そのために、友人と普段から良好な関係を築く努力はしたほうがいい。
聞いてもらえる相手がいるって、本当にありがたいですよ。

そして、悩みを聞いてもらうだけで、一切お相手の悩みを聞こうとしない輩に言いたい。
「悩みを聞いている間、あなたが友人を拘束しているのです。その代償はしっかり
払ってください。」ってね。

無料のカウンセリングが存在しないように、友人同士の相談も、継続して一方が
カウンセラー役では成り立たないのです。
もちつもたれつが成立することが難しくなった昨今、カウンセリングの必要性は
十分肌で感じますが、その一方、信頼の置ける普段の人間関係の中で、なんとか
解決していって欲しいなと思う面もあります。