コミュニケーションをとるのが下手な30代

30代、40代にありがちな悩み
-配偶者、恋人、心許せる友人がいない-

体力、財力、行動力の一番そろう時期に、このような悩みを抱えるのはなぜだろう?

配偶者Sさんと話したところ、二つの理由があるように見えた

1.親の年代(60代前後)が出産年齢だったころ、高度経済成長期で、家事も家電が

 一部負担してくれ時間的余裕が出来た。また専業主婦が多く、自己実現をする
 手段がなかったため、子供を自分の作品として見る親が増えた。
 子供は、作品価値を高めることだけを教育され、その結果ありのまま親に愛される
 機会を失った。人間関係の基礎は、親子関係で作られる。
 親が子に過保護であったり、反対に厳しくありすぎれば、おのずと子は人との間に
 安心感を感じられず、成人しても周囲と愛のある関係性を築けない。

2.古来は、一族として同じ屋根の下で多くの人が暮らしていた。
 親の間違った教育に対し、他の人間が制することで、子供としてはバリエーション
 豊かな教育に触れることが出来た。
 現代は、親の教育が圧倒的存在感を持ち、親が間違えていても、それを制する
 者はいない。
 子は親という絶対君主に従わないと生きていけないため、親のご機嫌伺いとしての
 幼少期しか過ごせず、成人しても自ら周囲に働きかけたり、人を心から救ったり
 することが出来ず、希薄な人間関係に終始する。

戦後に比べ豊かになって一見よかったね!と思っていたのもつかの間、富が
もたらしたものは、”益”だけではなかった。
生きるのに必死な頃は、生存の欲求だけを追い求めればいい分、余計な欲求
に振り回されなかった。
しかし、生活が向上するにつれ、人はより高度な欲求を求めるようになる。
その欲求が、自らではなく自らが宿した命に向かうことで、未来に多大な弊害を
生む。

子供は受精したその瞬間から、己(親)とは別の存在だ。
そのことに気が付かず、「あなたのためよ」という名目の元、自分の思い通りに
子供を制御しようとした親のなんと多いことよ。
右を見ても、左を見ても、育てなおしの必要な元子供がたくさんいます。
そんな人たちに、育てなおしという行為は行なわれるのでしょうか?
社会が、その必要性を説いてくれるのでしょうか?

私は今、単に人間関係が構築できないと嘆いてる人に、ぜひ自分の人間関係の
ルーツを探って欲しいと思います。
探って初めて、問題なのは”今”ではなく、”過去”にあったと気が付くことができる
のですから。