カウンセラーはストレスが溜まりやすい

私が出会った男性カウンセラーは全てタバコを吸っていた。
1セッション終わると、タバコを吸いに外へでる。

タバコを手放せない理由は様々だ。

一つは依存性。一度吸ったら、また吸いたくなる。しばらく吸わないとイライラする。
だから止めたくとも止められない。
一つはストレスの発散。ぐぅーっとストレスがたまっても、タバコの煙を吸って、
おもいっきり吐き出せば、深呼吸したような気分になり、スッキリする。
(本当は酸素不足になるんだけどね)

カウンセラーは主に後者の理由でタバコを手放せないのだと思う。
そこで何がストレッサーか考えてみる。

カウンセラーは、クライアントの前では感情を持った一人の人間というより、
クライアントに寄り添う別人格に自ら切り替える。
その状態はありのままの自分とは遠いので、ギャップがストレスとして蓄積する。

もう一つ、感情を出さない==抑える という力もカウンセラーの成熟度によって働か
せないとならない場合がある。
自分の感情を抑えるのは、誰しもストレスを感じる。

もし、天職というものがあるとしたら、先に挙げた二つのストレッサーがストレッサー
にならない人なのだと思う。
純粋に人をその人本来の姿に戻し、生きて欲しいと思い、それだけを求めて実行
できる人。
そういう人は、感情がその人らしさを求めるだけなので、どんな不合理な要望を
クライアントから言われようとも、抑える感情がない。
不合理な要望の奥に、その人の本来の姿のヒントがあるのだから。

カウンセラーがもつ感情を抑制は、真っ向から人として向き合うカウンセリングで
丸裸にされる。
感情の抑制があればあるほど、カウンセラーの言葉の真実さが失せ、クライアント
を否定するニュアンスが出てくるから。

カウンセリングは、本当に厳しい場だと思う。
カウンセラー自身がどう生きているのか、何を求めて、信じて、この場に立って
いるのか、クライアントの鋭い目で判断される。
クライアントは、敏感だからこそ、傷つき助けを求めてくる。
その敏感アンテナは、かなりの割合で正しい。
その正しさに判断されるカウンセリングは、まさに人と人の真剣勝負の様相を
呈していると思う。