「いや(否)っ」と発言する思考

最近勉強になるので、「解決!ナイナイアンサー」というお悩み解決番組を見ている。
つい先日の放送で、独身芸能人熟女の悩みに答えるという企画に、元ピンクレディーの未唯さんが出演していた。

未唯さんの悩みは、「特に悩みがない」という悩み。

独身なので、墓やいざというときのライフラインの構築は計画済みで、健康に気を配り人にも恵まれているので、なんら不安がないのだそうな。

そんな未唯さんに、クセ者相談員はどう答えるんだろう?と興味を持っていると、離婚問題のプロ岡野あつこさんより、「不安のない人なんていない。あなたは本当は不安だらけ。」という指摘が。
それを受けた未唯さんの一言目が「いやっ」だった。

じゃあ未唯さんは岡野さんのアドバイスを否定するのかと思えば、ナント「その通り」とのこと!!
アレ?である。
肯定するのなら、一言目に「その通り!」じゃないのか?

そこに未唯さんの心理が現れているように思う。
あれだけのキャリアと美貌を保つには、相当な努力が要ると思う。
浮き沈みの激しい芸能界で、走り続けた過去が未唯さんを美しく強い人にした。

自分を磨くことを繰り返してきた結果、未唯さんの思考は先ず自分ありきになったのだと思う。
たとえ相手の言っていることが当たっていても、それを素直に受け入れると、今まで張り詰めて突っ走ってきた自我が崩壊してしまう・・・だから先ず自分を固める、そして相手の意見を聞くという順が板についているのだ。

以前ブログでタルムードより引用した、
自分の思考に注意すること。それは自分の言葉となるから。
という言葉を紹介した。
未唯さんの思考は、この時まさに言葉となって出てきている。

しかし、この世に完璧な人間などいるのだろうか。
いたとしたら、私には命のないロボットに見えるだろうなー。

同じクセ者相談員の心屋さんが使うテクニックで、完璧じゃない自分を受け入れるとか許すという方向に思考(言葉)を調整することで、弱さも強さもある等身大の自分を受け入れられるようになる。
これが一番”生きている””毎日変わる””生ものである”という本来の人間の姿。
本当は完璧に近いほど、柔らかく、欠点にも懐深くいられるもの。

私もかつて、口をついて出る言葉は「否」だった。
当時それは「口癖だ」くらいにしか捉えていなかったが、今思い返すと非常に尖った自分を抱えていたと思う。
柔和な人、柔軟な人は、まず身引きながら相手を包み込むように受け止める。
それができないなら、まだまだ改善の余地はありそうだ。

美貌は年と共に衰え、その代わりに人は心の柔らかさと奥深さを手に入れる。
年齢に合わせた美しさの移り変わりを受け入れながら、その年齢を重ねてしか手にしえない尊い光り輝く美しさを手に入れて、人生の最後まで走りきって欲しいものだ。

未唯さんに幸せが訪れますように。