この世には「愛の片想い」が存在する

素晴らしい著書に巡り会う度、私は深く落ち込む。
あとがきに記される「両親や祖父母への感謝」。
あぁ、やっぱり頭の良い人は、優しい家庭環境で育ったのね。。。自分との差に愕然とする。

子供は生きるために、親の関心を集めることが欠かせない。
愛くるしい見た目と、ひ弱さと、無邪気さで周りを惹きつける。
何も持たずに生まれた子は、これから触れる新しい世界に向かう勇気を持つため、守ってくれる親という存在を絶対に手放さない。
親の愛を求めるのは、本能だ。

一方の親側。
周囲と関係性を上手く築き、自己肯定感に溢れる親は、一心に愛を注ぐだろう。
たとえ子が夜泣きをしても、成長が遅くても、周りに支えられ励まされて、子育てにまい進する。
でも、孤立している親は、子供への関心よりも自分に関心を寄せてくる人を探してしまう。見つからないときは、子供にその役を押しつける。
親の置かれている状況によって、子は愛されることも、愛されないこともある。

親子の愛は必ずしも均衡がとれているわけではない。
均衡の崩れた家庭の子は、愛の飢餓状態に陥り、幸せから遠ざかる。

我が子を愛さない親はいない
ずっとそう思われてきた。
でも少なくとも私が育った家庭は、「子の心に関心を向ける」という意味の愛はなかった。

親子の愛には、子供からの一方的な片想いがある。
そのことを、私以外の誰かにも知って欲しい。