育ててもらった恩を感じなくちゃいけない?!

我々は育ててもらったから親を大事にしなければいけないと思いこんでいる。
親から恩を押し売りされるなら、こっちだって、「私が生まれてきてやったから
子供の出来ない夫婦というレッテルが外れたんだろう。有り難く思え」と言える。

子供は生まれたいと思って、生まれるわけじゃない分、親の方が責任が重い。

子作りするのも自由。自由だから責任が発生する。責任があるから
自分の作成した物体(子供)を育てる義務がある。

それを途中から「育ててもらった恩」という、ある意味あざとい言葉にすり替え
子に何かを迫ろうとするならば、マジでバカじゃないの~って思う。

ところがこの恩とやらが、常識よろしくで、幅をきかせている。
もちろん、子供側に大切に育ててもらったという気持ちがあるなら、恩を感じても
よかろう。
しかし、親が自らの生殖能力を誇示するためや、子を搾取の対象として扱った
場合、「恩」という単語はふさわしいのか?
むしろ「害」「欲望」というのがふさわしいだろう。

子の中には十分な愛情をもらえず、自分が生きている意味が分からない人間が
大勢いる。
本来なら無条件に肯定できる自己を否定し続ける人もいる。
そういった人は全て親の搾取の対象にされた人。
生きることが辛い上、さらに親から搾取され続けるって、どんだけ辛い人生なのですか?

親孝行はするのが当たり前という風潮を、私はあえて批判したい。
親に搾取された人間は、自分を肯定するようになれるまで、死ぬほど長い道のり
を自分の力で歩いていかねばならぬ。
だから、親なんて捨てちまえ、それでアンタは正しいよといってやりたい。

思いこみを解放することで、親の面倒を見たくないと願う人たちの葛藤が少し
でも軽くなればと思い、この文章を書いた。