見方一つで世界が変わる

NHKのドラマ「タイトロープの女」を見ながら、見方一つで、こうも事実の認識が
変わるのかと驚いた。
ドラマでは、主人公(池脇千鶴)が、実父と信じていた男性とは血が繋がっていなかった
というストーリーだ。

ドラマの各所に、主人公が幼き日に、母や父に囲まれピアノを演奏していた思い出が
散りばめられている。おそらく主人公のアイデンティティは、工場を経営する父と
やさしい母に愛された幸せな子供時代を持つ自分だったのだろう。
しかしふたを開けてみたら、血の繋がらない我が子をなんとか受け入れようと葛藤する
父と、いつも申し訳なく思っている母に囲まれた無邪気な自分だった。

主人公と父が血縁でなくても、幼き日に親に見守ってもらった事実は消えず、実は
なにも変わっていない。
変わったのは、主人公の認識である。

このことから、認識によって、事実は幸福にも不幸にも感じられることが分かる。

運が良くて、人望があって幸せに見える人は、事実を良い意味で捉えることが出来る。

出来るようになった理由は、
人生の苦境に立たされ、どん底まで落ちた先に光を見いだしたか、
身近な養育者に事実を良い意味で捉えることのできる人がいて、無意識に真似る
ようになったか。

自分は不幸だ、運がない、誰にも大切にしてもらってない と感じる人にこそ、
父が実父か戸籍上のみの父かで、こうも主人公の認識が変わってしまうことに
関心を持って欲しい。
もしかしたら、貴方の不幸は、自分が不幸と認識しているだけで、実際は違うのかも
しれませんよ。