不認証がつくる世界

アスペルガーの配偶者を持つ掲示板を眺めていて、”いままで周囲に話しても
全然理解されなくて困り果てていた。配偶者に否定され、世間に否定され、とうとう
鬱になってしまった。この掲示板は同じ感覚を持った人の意見が聞け、安心できる。
本当は定期的に直接会って話がしたい”という訴えに何か感じるものがあった。

アスペルガーの配偶者に限らず、様々な不遇を抱えてしまった人々は、救いを

求めて人の間をさまよう。
親を介護中の人、婚活が上手くいかない人、内定がもらえない人、人付き合いの
苦手な人、受験に失敗した人、友達が出来ない人。
本人の心中が苦しければ苦しいほど、同意し、慰めてくれる誰かを探す。
ところがどの人も自分のことで精一杯なので、自分が体験していないことにまで
頭をめぐらせない。
めぐらせることができなければ、「あなただけが問題を抱えているわけじゃないのよ」
と不認証してしまい、話はそこで終わる。
はねのけられた人は、ガックリ肩を落とす。
何度探しても、認証されない状態が続くと、自分の生きている意味が分からなくなって
廃人のようになっていく。そして鬱になる。

他者がほんのちょっと耳を傾ければ、その人は鬱にならずに済むかも知れない。
でもその他者でさえ、まともに認証される環境にいない。
だから他者はどう相手を認証していいか分からない。
仮に認証できたとしても、その後相手に依存されない術を知らない。

なんていうか・・・全体的にバランス悪いよなーって思う。
困っている人に手を差し伸べてくれる人はおらず、さらに困っている人はちょっと
でも助けてくれる素振りをする人に依存してしまって、結局嫌われる。

人間はどこかで覚悟を決めて、自らの力でたたなくてはならない。
そして余った力を他者に分け与えられるように成長していかなくてはならない。
そういう大人が増えない限り、全ての人が不認証環境に置かれ、鬱を発症する
リスクを抱える。

そのことに何人の人が気付いているのだろうか?