留学生はとっても孤独

ある大学院でのこと、同級生の留学生が、「飲み会のときは、あんなにフレンドリー
にしていた人が、翌日の授業で会っても、挨拶さえしない。何故?」と不思議がって
いた。
おそらく彼女の国(台湾)では、場によって態度を変えるという習慣?がないんだろう。

日本人は恥ずかしがり屋だという。

確かに素面で初対面の人と気軽に話をするのにハードルが高い人もいるだろう。
しかし、恥ずかしがり屋ということは、即ち人の目を気にしすぎであるとも言える。

自分から堂々と話しかけて、相手に無視されたらどうしよう?
自分だけが親しさを感じていて、相手は感じていなかったらどうしよう?

自分と相手が同じ思いであるという確認が取れない限り、絶対に前に出ようとしない。
それではいつまでたっても仲間内から外へは出られないのである。

海外に行くと初対面だろうが、自分がどう思われようが、ぐいぐい前に出る外国人を
多く見かける。
日本のように単一民族で構成されていないために、見知らぬ他者であっても積極的
に交わらねば、商売も交流もできない環境だったからだ。

同じ風習、同じ見た目でないからこそ、言葉を重ね、互いを理解しようとする。
そこでだれにでも通じる公共性の高い言葉を使い、自分のことをアピールする
技術を身につけた。
いわゆる意識が外に向いている状態である。

日本人は意識が内に向いていて、ムラ社会の名残が今でもある。
その結果、留学生は日本人とのギャップに深く悩み、孤独を味わうことになる。
せっかく他の国の人のことを知るチャンスなのだから、日本人よ、前に出てみようよ。
嫌われたっていいじゃない。そのリスクをもってあまりある恩恵が人との交わりで
得られるよ。