遊びほうければ人生楽しいのか?

人生で一番充実した瞬間とは、努力の末に得た勝利ではないだろうか。
もし、努力が無くて得られる勝利なら価値は半減である。

新型うつは、嫌なことにはうつの症状を見せるが、それ以外はいたって健全という状態である。

それはあたかも「わがまま病」のように見え、うつのなりすましではないかと疑われることもあるだろう。

うつは自殺へも繋がる重大な疾患であるため周囲も強いことは言えない。
そこを逆手にとって、新型うつを装ってフリーライダーになる輩もそこそこ出てくることが懸念される。

しかし前述のように、人生の一番の喜びは働き、成果を得ることのである。
成果を得るということは、苦しい段階を乗り越えるということである。
その段階を経験することができない人生は、空虚だ。

正常脳を有する限り、環境が整えば、人は困難に向き合えるようになる。
その環境とは、小さな目標に対しこまめに褒美を与える環境であり、失敗してもカムバックできる環境である。

人間は失敗を怖れるから、足を前に踏み出すことを躊躇する。
だから失敗を失敗としない、次の糧なんだと思わせることで、先へ進む勇気が出る。
「失敗してもフォローするから」「今の君ならできると信じて任せるよ」「なにか困ったことがあったら相談に乗るから」と言われたら、「やってみようかな」という気になるかもしれない。
それでも抵抗を示すようなら、何に嫌さを感じるか根気強く聞くことだ。

そして少しでもできたら、褒める。とにかく小さな一歩でもいいから褒める。
すると嬉しくなって「もうちょっとやってみようかな」という気が起きる。
もしかしたら「こんな小さな事で褒められてバカにされていないか?」とうがった感じ方をする人もいるかもしれない。
それでも出来たことは事実。だからそれを認める。

どんな人間でも、承認されることへの渇望感は強い。
生きていることイコール承認を求めること といっても過言ではない。
つまり生きていることを味合わせることで、やる気を引き出すのだ。

たぶん、生きていることを味合わせること自体、新型うつでも新型うつのふりでも効果は変わらない。

会社員は長時間会社に縛られ、「もし自由だったら、あんなにもこんなにも楽しい人生が待っているに違いない」と幻想を抱くものだが、実際そうなってみると思ったよりつまらないのである。
現に専業主婦は、子育てを除くとそう楽しいものでもない。
テレビだって、趣味だってし放題なのに。

現代病である新型うつは、生きる目標を失った若者の陥った穴みたいなものだ。
彼らにだって適切な処置を施せば、社会に出て働くことは十分出来る。
人材を最大に活用するために、人を使う会社側が賢くならねばならぬ。