親しさの正体

優等生で人に気を遣いながら生きているのに、心からの友達が出来ないと悩んでいる大人がいます。
一見するとなんの問題もない。なのに親しさを持ってもらえないのは何故なのでしょう?

それは、相手に「自分の居る意味」を与えていないからです。

例えば、私が「あなただから相談するのだけどね・・・」と言ったら、言われた側は”相談されるほど信頼されてるんだ”と内心嬉しいことでしょう。
私がドジをすると、相手は”この人は私が支えてあげなくちゃね”という使命感を持てます。
そうやって、私の行動や言葉で「相手の居る意味」を与えることで、相手が自らの心の中に描く自分像を上げることが出来、心が安定するのです。

どんな人間でも自分の存在を不安に感じることがあります。
だからこそ、先に挙げた心の安定が切実に効いてくるのです。

優等生や隙がない人というのは、自己完結しているので、相手は「まっ、自分が居なくてもいっか!」と思ってしまいます。
となれば、そこまでぐいぐいと優等生に近づく必要性が失せるのです。
つまり迷惑を掛けないことや優等生的な行動は、実は人を惹きつける魅力にはならないのです。
反対に迷惑を掛けられることや頼りにされることが、人の繋がりを強化する一因にもなりえます。

ちょっと視線を外して、相手の気持ちになってみて下さい。
「私が居ないとこの子ダメだわ」と思う相手と、「私が居なくてもこの子平気」と思う相手、どっちが一緒にいたいですか。
どっちが自分の居る意味を見いだせそうですか?

人間全員、承認欲求を持っています。
私が居る意味をしりたい、私を認めて欲しいと思っています。
その欲求を満たすのは、一寸抜けた人間が側にいることです。
抜けた所を補う役割を果たすことで、その人はそこに居る意味を見いだすことが出来るのです。