気遣いをしているつもりがワガママ

コミュニケーションを取るのが苦手な人の典型のような例が発言小町に載っていたので、考えてみたいと思います。

紹介してもらったんですが。。


トピ主のきんぎょさんは、友人に頼み込んで遠方の男性を紹介してもらいます。
1泊二日で出かけた初対面で、連絡先の交換をしなかったことから、紹介者に次の合う予定の取り次ぎをして欲しいと期待しています。
ところがお相手男性は乗り気なのか乗り気でないのかはっきりせずじまい。
今のところ、ただ相手からのお誘い待ちのような状態です。

この方の思考は大変特徴的で、ものすごく自分のことが大切で、他人に頼るのが大の苦手で、覚悟がなくて、視野が異常に狭いのです。
いわゆる人の気持ちをわかっていないタイプです。
ですが、文章はきちんと書けていますし、レスポンスをくれた人に対して誠実に返事をしています。
見た目でコミュニケーション下手とはわからないんですね。

こういうタイプが一番厄介です。
自分に問題があると心底反省する程ヒドい症状ではないですから。
この方は、自分のことを気遣いのできる人と思っています。
初顔合わせの時にトピ主側が遠方まで泊まりがけで会いに行っている、友人の家族の車に乗せてもらうなんてとんでもないと(常識的な?)遠慮をしている。
何とも努力家で、迷惑を掛けない謙虚な人ではないですか!


と思ったら、おー間違い。


自分が会いたいといっているのだから出向くのは当たり前、自分の誕生日会に残業で遅れ、30分だけ居て「終電があるから帰るわ」と友人の「送っていくよ」の言葉を素通りして周りを放置する傲慢さ。
トピ主の中の気遣いは、他人にとっては気遣いには見えないのです。

自分を常識的な人間と思いたい、そう振る舞いたい、迷惑を掛けたくない、でも愛されたい、大事にされたいとぐるぐると自分の中を回っている状態の人です。
ただし、一歩も外にでないんですね、思考が。
内側だけで結論づけられる思考は、独りよがり即ちワガママと取られてしまうのです。

この方は親のことは体調が優れないとしか書いていませんが、おそらく親子のコミュニケーションが一方的に「こうするものだ!」という白黒思考だったのだと思います。
他人に悪く思われないように常識的に振る舞おうとする生き方は、他者にとって居心地のよいものではありません。そして柔軟性に欠けます。
またそういう人に限って、他者からの気遣いはものすごく気付かない傾向が強いのです。

無言が苦手なのだそうで、前々から何を話そうか話題を考えていたトピ主さんは、相手の気遣いを受け取らず、一人暴走をしてしまいます。
(紹介者が)「相手の話題に全然入ってこなかったように思ったけど・・」と言うのです。わたしの住んでいる県のことで、3人が話しましたが、誰もわたしに直接聞かないし、とにかく、次の話題を考えていて、聞いてなかった・・というと、「あなたの住んでる県の話は、あなたのために相手がしたんだよ」というのです。

トピ主さんとしては次の話題を考えることは、苦手状況に陥らないためと、周りを楽しませるための努力だったのでしょうが、男性から見ると、『話聞く気ないんだね』という信号になっているのです。その男性の気持ちが見えていない。

自分の考えること、感じることと他者の考えることは違うのだという考えが根底にあれば、まず相手の話を聞こうとする。
トピ主は、自分の考えは相手の考えと一致するもの、一致しなければ縁がなかったんだぐらいの考えでいるのです。

コミュニケーションは一人でするのではありません。
双方がお互いの違いを意識しながら、違いから生まれる新たな価値観を楽しむのです。
今後どう展開していくかはあまり大切ではないと思います。
むしろトピ主が、人の気遣いをどこまで受け取れるようになるか、人の話をどこまで聴けるようになるかの方が大切です。

紹介はこれから先もあるだろうし、なくても人との接触はあるでしょうから、自分さえ変わればいくらでもチャンスは転がっています。
まずはコミュニケーションを上達させることが先決ではないでしょうか。

コミュニケーション下手のアダルトチルドレンに似た状態なので、ご紹介してみました。

※文中の「この方」と「トピ主」は同じ人を指します