頭にカッと血が上る

起きる前ヘンな夢を見た。
なにか言葉を書いた葉書を送ってくれといわれたのでその通りにやったら、「葉書の種類が違う、今書き直して。余白も自分で考えて埋めてね」と言われたのが頭にきて「そもそも葉書を出す責任は私にないだろう。理由A、B、Cによって責任は貴方にある!」と相手をこてんぱんにやり込めている夢だった。

 確かに夢の中の私の主張はしごくまともだった。

だけど、もし私がこんなに厳しければ、相手はしっぽを巻いて逃げていくだろう。
相手の甘さを叩きつぶすとは、かくも人を遠ざける行為である。

人間誰しも、甘い考えを持つ。私はそれが「許せない!」と思っている節がある。
厳しさだけでこの世の中が回ればいいのだが、如何せんサボりクセのついた輩というのも少なからず居るのである。
その人間に正論を並べ立てて追い詰めた所で、一体何が生まれようか。

私のマズいところは、あるべき論をかざして答えを全て喋ってしまうことだ。
こうすれば相手は黙るしかなく、心が「逃げたい」でいっぱいになる。
せめて同様に厳しくするとしても、本人に語らせなければならない。
そうすることによって、今受け止めた厳しさが血となり肉となるのであるから。

おそらく私はこの会話のパターンをどこかで見聞きし、習得したのだ。
きっと相手は絶対正義を疑わない純真な人だったのだろう。
ゆえに、しょっちゅう人と衝突しもの別れするという生きづらい人生だったと思う。
私もそうだから。

心を広く持ち、いつも相手に対する尊敬の念を忘れないなんておべんちゃら、頭に血が上ったときには通用しない。けれどどこかで通用していかなければ対話が成立しないところもある。
そのバランスをどう取っていくかは今後の課題としても、今日見た夢は明らかに私の弱点を物語っており、それはそれでいい勉強になったと思うのだ。