ぽっかりと空いた親子の絆がない空間

私には縁がないけれど、「親子の絆」というのは確実に存在するのだなと感じる機会が増えた。

テレビを通してみる親子エピソード、身近にいる親子2代で続く自営業との関わり。

そんな彼らを見ていると、心のどこかで親を頼りにしている、拠り所にしている感じがあふれているのだ。

人は一人では生きていけない。
それは他人の力を借りなくては生きていけないというよりは、拠り所なくして外部との安定した関係作りができないと表現した方が近い。
コンビニがあって、勤め先があって、ネットがあって、なんでもそろってても、それでも自分が生きていていいという自己肯定感や自信は生まれないのだ。

私の中では、ぽっかりと空いた親との関係。
親というのは、苦しめる存在であって、頼れる存在ではなかった。
何十年もそれを当たり前のように思っていたが、親子の絆を見る度に、本当の親子はそうではなかったのだと、気づかされる。

「利」というのはどこまでも追求できるものであるし、効率化を図れるものだと思う。
けど「情」というのは、残念ながら正直に追求できるのは親だけである。
配偶者や恋人に求めることもできるだろうが、方向性が違う。

なんとなく、泣きそうになった。
私には親子の絆がない。
それを当たり前のように感じられる環境の人がいるんだな~と思うと、ちょっぴり心がヒリヒリした。