LINEの既読機能がもたらすもの

私はLINEを使ったことがないが、かなりの人がこのツールを使いこなしているようだ。
ユーザが爆発的に増えた背景には、使い勝手の良さがあるのだろう。
相手の即答を期待でき、相手が伝言を読んだかも分かる。
「待つ」というストレスを解消してくれる画期的サービス。

反面、LINEによる犯罪・仲間はずれ・仲違い が絶えない。
便利というメリットの傍で、確実にデメリットが生じている。
「待つ」ことから解放された人々は、どんどん気が短くなり、ちょっとのことにも辛抱が足らなくなる。
それが、気に入らないことに対する攻撃を加速させている。

つまり、感情優位の世界が優先され深く考えることがおざなりにされている。
人間というのは連続的なのに、ビットの世界とおなじ離散的世界を目指そうとしている我々。
洗練されて無駄のない、「待ち」さえも存在しない世界がすばらしいだろうか?
混沌とした「待ち」の時間こそが、考えを深める絶好のタイミングではなかろうか。

色彩の世界に喩えるなら、LINEの表す世界は原色で彩られた世界。
昭和の世界は、山吹色や青磁の色など微妙な色で彩られた世界。
原色の世界も、微妙な色の世界も、どちらも必要だと思う。
だからこそ、昭和はめんどくさいと切り捨てず、原色と供に生きる方法を模索するのが、後々の悔いを防ぐ唯一の手段だと思うなぁ。