愚痴かうわさ話しかネタがないと気づいたその時

今から10年ほど前、その当時おつきあいのあった友人と会って話をしていたときのこと。

彼女は延々と職場の愚痴を言ってきた。

彼女とは学生時代のおつきあいなので、職場の人を知らない。
楽しくもない、人物さえ知らない、その話に付き合わされる私。
愚痴が一段落終えると、ふと、今度は私が話を切り出す番か?と思った。
ところが、彼女と話したいネタがない。

無言も気まずいので、共通の友人の近況を語り合う。
一通り話し終えると、また、シーン。
はっきりいって、一緒に居る時間は楽しいというより、時間つぶしという感じだった。

話ても、話ても、ザルに水を入れるように、心が空っぽのまま。
わかり合おうとしているより、感情を吐き捨てよう、自分の立ち位置を知るために他人を値踏みしようという感覚が強いから、いくら話ても互いの心は満たされない。

慣習だけで人に会うのは、ムダだし、疲れる。

その後、相手とは疎遠になった。

自分が自分らしく意見を持てるから、相手の意見を聞く余裕が持てるし、相手の立場で考えることも出来る。
私たちは互いに自立していなかった。

小学校の時はクラスが一緒だから友達になれた。
学生時代を経てしばらくは慣習で、友達を継続できた。
けど、何にも属さない今はどうだろう?

何にも縛られない今こそが、本来の実力通りの自分なのだと思う。

くだらない時間つぶしなどせず、自分らしくいられれば、他者は必要ない。
もし必要になれば、そのとき出会った人々と縁を結べばいい。