ACの回復はどうやって行うのか?

アダルトチルドレンとは何か?
アダルトチルドレンが抱える問題とはなにか?
に言及した書籍はたくさんある。

だが、アダルトチルドレンの回復方法について言及したものは少ない。
巻末にちょちょっとこうしたらいいですよ的に書いてあるのみ。

下手をしたら、「自分を大切にしましょう・愛しましょう」と一番苦手で出来ないことをやろうと呼びかけてるものもある。
何度考えたって、イメージを試みたって、自分を大切にすることにたどり着かないからアダルトチルドレンなのであって、たやすく愛せたら苦労なんてない。

私はこれまで、ブログ内で数々の回復方法について述べてきた。
その上でもう一度、どうやれば、ACが回復できるのかを考察してみたい。
そして、今後もいい方法が思いつく度に、言及していきたいと思う。

おおまかにいうとACが目指すゴールとは?

最初にゴールを設定する。
アダルトチルドレンの特徴は、優先順位が自分よりも他者になっていること。
自分を守り切れる自信がないから、簡単に搾取を許したり、他者に敵対的・恐怖的感情をもったり、キレるだけで問題解決能力が乏しかったりする。
ようするに、自分をハナから諦めている状態。

それは辞めよう。
自分を守ろう。理由はただ一つ。世界中で、どんなときも味方でいてくれるのは、自分だけだから。
絶対に信じられる、裏切らない基軸を持つことは、何を差し置いても優先されるべき事項である。

あなた独自の問題に切り込む方法

次にあいまいで明文化されていないあなただけの問題点を整理しよう。
何が悲しくって、何を引きずっていて、何に一番心を閉ざしたか。
その中で今、一番ケアしたいのは、どの問題か。

問題一つ一つを真摯に聞いてやる。自分の問題を拾い上げてやる。
これは自分に対する優しさだ。

子供はどんなに優れた教材を画面を通して見させられるより、多くの言葉を掛けられる方が、脳が発達し精神が落ち着く。
そこには、”あなたのために”というメッセージが込められている。
”あなたのために”は、それだけ多くの人の成長に欠かせない。

ACは人生の中で”あなたのために”を受け取りそびれている。
それを渡してくれる人が不在だったから。
だからこそ、今からやろう。あなたが”あなたのために”をやろう。
自分の問題を拾い上げるとは、そういうことである。

拾い上げた問題をどうするか?

ここからは正直、自分一人でやるのは、難しい。
他者の力が必要だ。

拾い上げた問題と普段の行動の矛盾を突く。
あなたは問題だと気づくほどの問題意識を持っているにもかかわらず、問題を助長する行動をとっている。
例えば、自分の意見を言えないという問題を抱えているのに、人前ではあいまいな笑顔で済ませるなど。
行動は心理がオモテに表れたもの。心理を無視して行動だけを改めることはできない。
その心理を突きとめると、自分は何を言ってもマトモに扱われない、という思い込みが明らかになったとする。

ここでやっと問題の本質である「マトモに扱われない思い込み」が姿を現した。
そうしたら、本当に「マトモに扱われないのか」を検証する作業に入る。

思い込みを取り去る作業

過去に出会った周りに話をしっかりと聞かれる人の特徴を挙げてもらう。
論理的、堂々としている、情熱がある、伝えたい気持ちがある。
きっと何か一つぐらい、頭一つ抜きん出た特徴があるはずだ。

たくさんの特徴を挙げてもらって、その中から一つマネ出来そうなものを選ぶ。
いきなりマネるのではなく、マネることのリスクも事前に検討する。
たとえば「情熱がある」を選んだ場合、独りよがりになるリスクがあるので、情熱と独りよがりの違いをしっかりと考える。

そしてやってみる。
やる時は、相手を選ぶ。
たとえば、協力してもらった他者。
この他者ならバカにされることもなく、既に目的を理解してくれているので安心だ。

やってみて、自分がどう感じたのかを明らかにする。
怖かったのか、やってみてよかったと思うのか、もっといい方法がありそうだから試してみたいと思ったのか。

改良点があれば、じゃんじゃん挙げて、実践に向かっての下準備を重ねていく。
こうやって練られた考えは、精度が高い。作業を行う度、上手くいく確率はぐんと上がるだろう。

思い込みを手放すときとは、それがなくても大丈夫と認知したとき

頭ではどれだけ理解していても、心が着いていかない。それが人間。
だから心を先に出す。
安心なところで試して、”大丈夫”という感覚を手に入れて、それから実践する。

これなら、心に逆らわず、比較的事象も素直に進み、成功しやすい。

一つ問題をクリアし、別の問題に取りかかると、全体の問題が見えてくる

以上の方法で一つの問題に取り組んだ後、また別の問題に取り組むと、より俯瞰的に自分の問題が見えてくる。
心の問題を帰納法的に捉えることが出来る。

そこまで到達できれば、未来の問題解決の時間は短縮できる。
空いた時間は、人生を実りあるものにするために使える。

この状態で過去を振り返ったとき、自分を大切にする・愛するの意味が分かる自分になっていることに気づく。
もう、簡単に搾取を許したり、他者に敵対的・恐怖的感情をもったり、キレるだけで問題解決能力がない自分じゃない。
自分を守れる自分に変身している。

ACはしっかりとした手順を踏めば回復できる

「好きになりましょう・愛しましょう」というゴールをいきなり目指すのではなく、あなた独自の問題に切り込み、そのケア方法を伴走者と一緒に考えることで、自然と肩の力の抜けた自分に戻れる。これが回復だと思います。
楽ではないけど、それほど苦行でもない。
やってみる価値はあると思います。

是非最適な伴走者を見つけて、やってみてください。

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