ハインツコフート

私が支持する精神分析の大家はハインツ・コフートだ。
精神科医和田秀樹さんの紹介する著書で、その存在を知った。

フロイトやユングは有名だ。
それよりややマイナーなコフートに、私はなぜそんなに惹かれたのか。
それはコフートこそが、人間らしい精神分析を行っていたからと思う。
人の弱さを知り、弱さがあることを是とすることで、精神的に疲弊していた人々
は、自分をわずかながらでも肯定できたことだろう。

コフートは、親イマーゴと誇大自己のバランスによって、人格は形成されると説いている。
ちなみに親イマーゴとは、親を理想の絶対的存在としてみることである。
誇大自己は、自己にたいする誇大妄想、ようするに肥大した自己愛である。
私は、アダルトチルドレン(AC)は親イマーゴが勢力を失うことなく成人になるまで
絶大なる勢力を保った結果ではないかと思う。

精神バランスのよい状態とは、自分を大切にする心と、他者を大切にする心に均衡
が取れていることだ。
他者(特に親)を神とあがめ、その力に屈する生き方をすることで、自分をないがしろ
にする状態は、精神バランスを欠いている。←AC

まじめに勉強したことはないので、コフートの理論については適当な理解をしているが
アダルトチルドレンの起源となる考えを提示してくれる学者がいたからこそ、今日
の治療があったように思う。

優れた精神科医や研究者が、明日の救いをつくる。
どんどん精神の構造が解き明かされていって欲しいと思う。