向こうから誘ってきたのにいつの間にか自分が誘ってることになってる怪

お誘いの連絡が来て喜んだのもつかの間、気づくと自分が誘ってる側になってる?っていうことありませんか。

いつ立場が逆転したんだ?どうして私はいつももてなす側になっちゃってるんだ?
そんな疑問を解消すべく、丁寧に会話を洗い出していきます。

私達はどこで何を踏み違えたのでしょうか?

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具体例から考える

典型的な会話の運びをおさらいしてみます。

A:ねぇ、今度○○にいかない?
私:いいねー。
A:私はいつでもいいよ。
私:んー、じゃあ13日か16日はどう?
A:私は13日がいいな。
私:じゃあ13日ね。待ち合わせはどうする?
A:どこがいいかな?
私:○○なら△△駅の南口が近いんじゃない?
A:確かに。
私:じゃあそこで。
A:楽しみにしてる。
私:うん。

さてどこがマズかったでしょうか?



上から4行目、私の2回目の返答です。ここで私が13日か16日と提案しています。提案する姿勢に切り替えたということは、ここからは私が誘う側ねと自らポジションチェンジを買って出たことを意味します。ですから4行目以降、私が提案する側、相手が提案を承諾する側と立場が入れ替わりました。

もし4行目でポジションチェンジをしなければどうなるでしょうか。

A:ねぇ、今度○○にいかない?
私:いいねー。
A:私はいつでもいいよ。
私:ふーん。
A:私ちゃんが決めてくれないと、ね。
私:面倒くさっ。そこまでして行きたくはないよ。
A:だって、私ちゃんが決めないと、行けないじゃん!
私:私にこだわらなくても、よくない?他の子と行ってきたら。
A:…
私:またね。

お誘いは成立しませんでしたが、モヤモヤは払拭されました。けれどもなかなかこういう話の展開にはならないんですよね。

そこで、最初の様になってしまう原因を探るべく、会話中の二人の心情を追っていきましょう。

会話に潜む本音を追う

A:ねぇ、今度○○にいかない?(○○に誘って欲しいなー、つれていって欲しいなー)
私:いいねー。(誘ってくれたんだ!わーい。)
A:私はいつでもいいよ。(やったOKもらった。じゃあ後はお願いね)
私:んー、じゃあ13日か16日はどう?(じゃあ具体的に決めて行けばいいんだね)
A:私は13日がいいな。(13か16かか。私の都合は13)
私:じゃあ13日ね。待ち合わせはどうする?(ヨシ決まった。次のこと決めよう)
A:どこがいいかな?(決めて欲しいな、よく分からんし)
私:○○なら△△駅の南口が近いんじゃない?(この提案はどうだろう?)
A:確かに。(ほぅ、さすがに私ちゃん)
私:じゃあそこで。(よっしゃー、決まった)
A:楽しみにしてる。(やった、誘ってもらえた)
私:うん。(さっくり決まったな。でも、私が主導権握ってない?確か、誘われたんだよね)

青字を追っていくと分かるように、Aちゃんに誘う気などさらさらなく、誘ってもらう気満々です。だから誘って欲しい場所を切り出しました。

そしてあっさりと合意を取り付けられたので、Aちゃんとしては「誘って欲しい」が了承されたと理解して、お任せモードに入ったのです。だからこそ、4行目以降の会話は「わかんなーい。あなた決めて」で一貫している。

これがAちゃんの解釈です。

でもこれだと私にわだかまりが残ります。誘ってきたのはそっちなのに、なんで私が段取るの?と。

そこで4行目のような態度を取らないという作戦を企てます。

A:私はいつでもいいよ。
私:私もいつでもいいよ。(口が裂けても提案するものかっ!!)

やれば出来なくもない。でも気を張ってなきゃなんないし、疲れる。他に手はないのでしょうか。

なぜ私は提案側に回るのか

そこで今度は私の心に目線を移します。
なぜ私は提案をしてしまったのでしょう?



それが望みだからです。私は声を掛けてもらえたことが嬉しくて、つい前のめりになって、誘いをモノにしようとした。
チャンスを逃したくなかったのです。

物事に一番関心のある人が、方向性を決めるキーマンとなります。今、Aちゃんと私で出かけるという物事に最大の関心を抱いているのは、実はAちゃんではなく私だったのです。

だから私の方が必死になって約束の具現化に努めた。それが「提案」という行動に結びついたのです。

従って私の中の「チャンスを逃したくない」という気持ちをなだめなければ、わだかまりから解放されることはありません。

固定観念のなせる技

なにゆえそこまでお誘いを逃したくないんでしょうね?

そこで鍵となるのが、各々の持つ固定観念です。かりに私の固定観念が「人気のある人ほど誘われる」であったとしましょう。

Aちゃんからのお誘いは、私に人気があることを証明する千載一遇のチャンス。フイにするわけにはいきません。

この必死さが、誘われた側という意識を吹き飛ばし、誘う側へとポジションチェンジをさせてしまっていたのです。

ですからわだかまりから解放されるには、今持っている固定観念を違うものへと変えていくことです。

固定観念を変える

固定観念「人気のある人ほど誘われる」は本当なのでしょうか。

確かに人を不愉快にさせる人はお誘いを受けることが少ないでしょう。一方で、あっちこっちから声はかかるけれども、誰からも大切に思われていない(利用価値が高いだけ)という人もいます。

誘われる多寡で、人の優劣など決まりはしません。

じゃあ何で決まるのかー
これは個人見解になりますが、私は「自分が優れていると信じられれば優れた人間なのだ」と思います。

ひと言でいうと、自分が自分として居るから優れている。無条件の肯定です。

この肯定を当たり前にできれば優れてるし、友達の数とか地位とかそういう外部要因を頼りに自分を肯定したり卑下したりしていれば優れていないと思うのです。

要は心の持ち次第。
しっかりと心を持てていたら、「誘い」に「提案」で応えることがなくなります。チャンスを逃がすまい、といった焦りとは無縁でいられますから。

自然の摂理

穴が空いてるから砂が入ってくる。誘われたい穴が空いてるから、見せかけの誘い文句が入ってくる。

穴は閉じれば何も入りません。

穴を埋める手段を外に求めるのはよしましょう。私の心の穴は私の肯定で埋めるんです。心が満たされていれば、怪しい誘い文句には内なる警告がきっちりと出されます。

誘われたつもりが誘っていたというのは、結婚詐欺師の手口と同じです。「君以外考えられない」と口説かれて、気づいたら私の方が彼の言いなりだった、というのはポジションチェンジの典型。

穴はリスクです。どんなさもしい輩にタカられるか分かりません。早めにその穴を閉じちゃいましょうね。