ひきこもったわけ

ニュースでひきこもりが70万人いると報じていた。
予備軍は155万人。
それも半数が30代。

引きこもった理由

1位:職場になじめなかった
2位:病気
3位:就職活動がうまくいかなかった
4位:不登校
5位:人間関係がうまくいかなかった
6位:大学になじめなかった
7位:受験に失敗した

この理由から考察するに、失敗に対して免疫のない人が引きこもっている。

人生はすべて思い通りに行くことはない。時折、他人に理由もなく嫌われたり、
体調が悪くて実力を発揮できなかったりする。
それでも、人生を長い目で見たら、たいしたことないって思えるとアッサリ立ち直れる。
一方、開き直りの感情を持てなければ、失敗したときや苦しかったときの感情をもう
味わいたくないと、心の防御に入り社会から距離を置くようになる。

防御姿勢をとる性格が作られたのは、養育環境との関係が濃いと思う。

我々が幼いときは高度経済成長期で、勉強して、いい大学に入って、大企業
に就職することこそ幸せという金太郎アメ的価値観の中で育ってきた。

親は、子供に失敗すること許さず、周りの人より優秀であることを強いてきた。
子供は敏感に親の考えを察し、要求されるがまま、その通りに生きようとする。
つまり、親が考える成功ストーリ通りの人生を歩む。

しかし、人生すべてが成功というわけにはいかない。時に失敗する。(親のストーリ
から外れる)
そのとき、親が「失敗してもいいのよ、失敗も大事な経験。」と肯定してくれるか
「何を失敗しているんだ。役たたず。」と罵るかで、子供の心の中に失敗に対する
免疫ができるかが決まる。

成功することも大切だけど、同じくらい失敗することも大事。失敗をどのように
自己の中に取り込んで、肥やしにできるかが、その人の人生の柔軟性を左右する。
引きこもった理由7位までのほとんどが、失敗を乗り越えられず、心の防御に入って
しまったように見える。

引きこもりから脱出するには、今の自分でいいんだと認め、失敗を否定をする
毎日から抜け出すことが大切だろう。
否定をやめたら、自分を否定していた時間が別のことに当てられて、新たな
自分を発見できるかもしれない。