恋はするものではなく、落ちるもの

-愛は万有引力-
谷川俊太郎さんの詩「20億光年の孤独」を泉谷先生が解釈したら、そうなるらしい。
引力は発生しようとしてするものではなく、自然に発生するもの。
恋はしようとしてできるものではなく、落ちるもの。

現代は恋愛結婚至上主義。恋愛の延長に結婚があると考える。

お見合い、婚活パーティは恋愛「すること」を目的として、異性同士が出会う。
恋が自然に発生するものなのに、恋を発生させようと人工的に場を作ること
に、無理感がある。

もっと自由になればいいのに。結婚という制度にしがみつかなくてもいいのに。
恋愛という経験の延長に結婚があるという概念に縛られなくてもいいのに。

詩の中に、「宇宙はひずんでいる。それ故みんなは求め合う」という一節がある。
恋ができない若者、恋愛の延長として結婚を捉える風潮、そのどれもがひずんで
いる。本当は人間ともっと近づきたい、けど近づいたら傷つくから、嫌われるから
心の中でだけ求め合う。

「宇宙はどんどん膨らんでいく。それ故みんなは不安である」。
ツィッターやmixiでは繋がれても実際に会わない、隣人の顔さえ知らない
孤独死する人が増えた現実・・・どんどん距離が伸びる人と人と間。
だから自分もそうなるんじゃないかという不安から逃れられない現実。

この詩は現代の人の間の問題を鋭く衝いていると思う。
けど、最初に「万有引力はひき合う孤独の力である」であるともいっている。
ひき合うことができるのは、孤独であることが大前提。

恋をしたい・誰かと繋がりたい・愛されたい と望めば望むほど意識してそれら
の行動をし、それによって本来発生するはずであった万有引力を見逃す。
孤独だからこそ見える愛の力があるのです。

孤独を請け負わなければ、本当の繋がりは見えない。
ほっておけば人は孤独になることができる。
孤独を恐れることなく正面から受け止めることで、恋に落ちるタイミングを自ら
気づけるようになるのでしょう。