先ほど、出張所にいって、離婚届をもらってきた。
一人で取りに行くのはちょっと心細かったので、ぱれんも一緒にいってもらった。
ありがと、ぱれん。
なんか「離婚届ください」っていうの、緊張したー。
「婚姻届ください」×10倍くらい。
なんてことはない、ただの書類なんだけどね。
あとでサインをしよう。
ところで、ここ一週間、ただぼーっとして、インターネットで検索ばかりしている。
苦しい胸の内を誰かに訊いてもらうことができないので、私は同じ境遇の人の意見を
見ることで、救いを求めている。
当事者じゃないと「人の心が分からない人」との生活の苦労は、わからないからね。
アスペルガーの配偶者を持った人も、身近な人に相談しても全然分かってくれない
と落胆して、アスペ配偶者専用掲示板に来ているみたいだし。
離婚は結婚の何倍もエネルギーを使うっていうけど、どうなんだろう?
人は手に入れるのには大してエネルギーを使わないけど、それを手放すには
自分の中の執着と戦わないといけない。その執着のエネルギーが大きいから、
離婚は大変なんじゃないかな?
裏を返せば、執着を捨てた人間は、あっさりと離婚できてしまうのではないかと思う。
私は結婚するときに、すでに危険を感じていたのと、元来子供不要派だったので
自分が離婚するときに足かせになる物を結婚生活で一切生み出さなかった。
借金も、子供も、思い出も。
だから、経済力の問題以外考慮する必要がない。
とっても楽な離婚だ。
結婚式もやっていないので、親戚や友人にも一切迷惑をかけていないし、親族
お披露目もやっていないから、私が離婚する際誰かに相談して決めるなんてことも
不要だ。
これだけはナイナイづくしの結婚の唯一の利点。
私の一存だけで離婚できる。
私が気持ちの上で一番大切なのは、もうSさんに何を言っても無駄であるという
諦めを持つことだ。
障害者と同じように、Sさんには人の気持ちを読む能力がない のだ。
ないものをあるように振る舞えなんて、無理すぎる。
私が「Sさんは障害をもっているんだ。そしてその障害は私の心をズタズタにするんだ」
と納得すれば、それで全て上手く終わる。
Sさんにとってみれば、やれないことをやれと言われて相手に泣き続けられるより、
一人になって、好きなように暮らす方がずっと快適だろう。
合わない人間を一緒にすること、こんなにも衝突が起きるのだということが、よく
分かった。
三角のくぼみに四角の箱は入らない。
ただ、それだけのこと。
それを「いや入るハズ」だと、ゴリゴリ押しても、三角の角が少し取れるくらいで、
やっぱり入らない。
そのバカみたいな努力はさっさと諦めること。
それが離婚という形でも、恋人のお別れという形でも、親子の絶縁という形でもええ
じゃないか。
それぞれの持つ形は神様から与えられた物。
そして、その形を様々なバリエーションに変えられるか・否かは、自分を主体的に生き
るかどうかにかかっている。
生涯三角のくぼみしか持てない人は、三角の人に出会うか、誰とも出会えないかの
二択。
本来三角のくぼみであっても、主体的に丸や四角という形を取り込んで、それにも
合わせられるようになれば、どんな人と出会っても、関係性を築くことができる。
きっと人生を充実して生きることのできる人は、くぼみという特性は持っていても、
その形に多様性のあるとても柔らかい人なんだと思う。
私は、三角のくぼみしかないSさんに対して、三角に形を変えることは精神的に無理
だった人間。
だから、あ・わ・な・い 人間なんだ。
それはそれで良いと思う。
この結婚で学んだことは、たとえ仕事上で信頼しあえる関係だったとしても、暮らしの
中で信頼しあえるかどうかは、別物だということ。
会社では、みんなから頼りにされ、優秀なSさん。部下の育成にも配慮し、上司とも
うまくやる。
ただしプライベートな面では完全に受け身。
誰かがどうにかしてくれる。どうにかならなくても、死んでも特に問題はない。
(私はココ理解に苦しむ。実際にSさんは一度死にかけている)
結婚は仕事とは違う。だから一緒にいて本当にこの人とやっていけるのか、この人
を支え、そして支えられているのか をよく見極めた上で結婚した方が良いと思う。
離婚届は用意するけど、税金とか払えないからしばらく仮面夫婦として過ごします。
でも経済力をつけたら、さっさと出て行って離婚届を提出します。
Sさんが離婚を認める条件は、「私が出て行くこと」らしいから。