既婚女性が不倫すること

妹のところにいて、とくにやることもなく暇なので、本を読むことにした。
普段まったくといっていいほど、小説の類は読まないが、妹のところには小説しか
ないので、なんとなく聞いたことのある題「不機嫌な果実」を手にとって読んだ。
これは林真理子さんの著作なのね。そんなことも知らなかった・・・。

この小説は既婚女性が不倫をして離婚するお話だ。

結婚後夫に大切にされないと不満を抱えた妻が、昔のオトコとよりを戻し、新しい男
と恋に落ちる。
刺激的な不倫体験を経て、主人公の最終的な結論
        【男ってみんな同じ】

そりゃそうだ。
人間誰しも初めての経験は緊張する。
非日常のことは、楽しい。
けれど目新しかった出来事が、日常へと変化を遂げたとき、それはもはや
心をときめかせる存在ではなく、空気と化す。それは相手が誰であっても同じ。

人は他者によって劇的な変化を遂げるのではない。
自己のありようによって変化を遂げる。
しかし、不倫をする女性は自己を成長させるために、なんら努力をしていない。
ただ、目新しいことに身をゆだねているだけ。
だから、こういった結論になる。

この小説が書かれたのはバブルの余韻を残す1990年代。
人は真の幸せに気がつけず、お金・男 で人生が変わると信じていた。
だからこの小説がドラマ化され、多くの人の共感を得ることとなった。
時代を経て今、男によって人生が変わると思っているバカは救いようがない。
あまりに自分の人生に無責任だ。

H2Oの「幸せは誰かがきっと~運んでくれると信じてるね」じゃないんだから。
自分の人生に自分で舵を取り、自分が何に幸せを感じるのか考え尽くす。
他者からの賞賛や承認を求めるのではなく、自己の中に納得と幸福を求める。
そうすれば、自分ならではの人生が歩める。

不倫がいいとか悪いとかはどっちゃでもいいけど、不倫したから幸せになるわけ
でも、不幸になるわけでもない。
ただの事象は、人間の心に本質的な変化をもたらさないのだから。