起きた後布団を整理するか

朝起きて、布団から出るとき、布団をキレイにたたむか。
パジャマを脱いで、たたむか。
大したことがない事象だけど、なんか大切な気がする。

実家で親は、朝布団はぐちゃぐちゃ。パジャマは脱ぎっぱなしでいた。

なので、記憶はないが、私も同じような生活をしていたのだと思う。
親の部屋が習字部屋 兼 テレビ部屋 兼 親用寝室だったので、親の部屋に
入ると、とにかく ぐちゃーっとしただらしない感じがいつもしていた。
それが子供心にイヤだったのか、現在「ぱなし状態」とは縁遠い。

よく脱ぎっぱなし、出しっぱなしで困るんですという相談がある。
確かにだらしない気がする。
なんでだらしなくなっちゃうんだろう。
そこがよくわからん。
しかし、私はだらしのない生活と整理された生活の両方を人生で経験して
いるのだから、理由が分かるかもしらん。
考えてみよう。

親元を離れて自分で暮らし始めて10年は、整理整頓しなかった。
ところが雑誌でホテルの部屋を見たり、友人宅におじゃましてキレイな
部屋を目の当たりにすると、「なんかいーなー、すっきりして」という気持ちが芽生えた。
すっきりするのとしないのは何が違うかといえば、自分が精神的に落ち着くか
どうかだ。
ごちゃごちゃしていると、なにかが目に入った時「また、アレやってない」だとか
「片付けなくちゃ」という考えが思い浮かぶ。
考えが100も200も浮かぶから、頭がパンクしそうになる。
そこで、物を少なくすると、あんまし考えなくていいから、楽~[E:note]ってなるんだ。
それが精神的な落ち着きにつながる。

そういったメリットに気がついたことも整理整頓するようになった要因の一つだろう。
しかし、最も整理整頓体質に寄与したのは、一人暮らしをすることで、親に追い詰め
られることが少なくなり精神的な余裕が生まれたことかな。

人は生存を脅かされる状態では、自分を守る以外、必要最低限のことしかしない。
戦争地帯の人間は、爆撃に遭わないこと以外に今日食べるものを確保すること
や寝る場所を作ることしか考えられない。
でも、平和で生存が保証されるならば、素敵なカーテンを飾ろうだとか、テーブルは
高級感のある物がいいという美への関心が生まれる。

私の場合は親に愚痴を聞かされなくていい生活が手に入ったことが、私の余裕を
生みだし、整理整頓へ目を向けさせたのだろう。

成功している芸能人の家を見ると大概モデルハウスですか?並に清掃されている。
最初は嘘くさいと思っていたけど、成功することで余裕が生まれたからこそ、家が
キレイなのだと分かってきた。

だから家が汚いということは、少なからず精神的な余裕がない状態を表しており、
その余裕がないに追い打ちを掛けるように「キレイにしろ!」と命令した所で、
あまり効果はない。
だから本人が自ら片付けたくなるように、精神的なサポートをする方が早道かも
知れないと思う。

私の親が、ぐちゃぐちゃを平気だと思う背景には、彼らの余裕のなさが伺える。
それでも他者は自分のケツは拭いてくれない。
ぐちゃぐちゃをまずいとおもうなら、自ら他者に助けてください・力を貸してくださいと
いうしかなかろう。
そういう意味で、人生は甘ったれて生きることは赦されない。
やっぱり自分の人生を自分で築くために、時に自分の弱さと向き合って、少しずつ
克服していく必要性があるのだと、思います。