絆の力を磨く

「私が困っていても、誰も助けてくれない。孤独だなぁ」と嘆く人は多い。
反対に
「私は困っている人を見ても、助けることが出来ない。冷徹だなぁ」と嘆く人は
少ない。

人はなーんにも考えずにいると、自分のことばかりに目が行きます。
全員が自分のことばかりに目が行くから、誰かが誰かを思いやる事象が生まれず
孤独の溝は深まるのです。

人は大切な人や親を失ったとき、人は初めて”ありがとうを言えなかった自分”、

”恩返しできなかった自分”を反省します。
取り返しの付かないところまでこないと、自分を反省できないのです。

震災の時、絆が深まったと言われました。
その絆の正体は、取り返しが付かない震災というピンチに立たされた人々が
自分を反省し、自分で行動したことなのです。

普段自分のことばかり気に掛けている人が、被災地に行って、他人のために尽力
する。芸能人が、被災地に行って、歌で皆さんを元気づける。

普段から他人のことを見る目を持っている人も、そうでない人も一丸となって
被災地を支援したのです。

でも、また平和な日々を取り戻しつつある今、自分に目が行く人々が増えつつ
あります。

もしかしたら、人種が生き残るためにピンチの時は助け合うというプログラムが
人の中に刷り込まれているのかもしれません。
それでも、我々は賢いのです。そのプログラムを書き換えて、平時のときも
助け合うというプログラムにできます。

震災は、日本国全体に、非常に大きな被害をもたらしました。
しかし、震災によって我々が気付いたこと、得たことはたくさんあります。
得たことを無にしないためにも、震災で得た絆を継続するために、我々一人一人
が、自分を反省する術を身につけ、継続してその術を磨いていく必要があると思
います。