質問の脅威

業務上必要だから、好奇心があるから、聞きたくてウズウズするから

人は様々な理由で、相手に質問をします。
その質問、正しく出来ていますか?

 



私は、質問に色が付いていると思います。
同時に透明な質問も存在すると思います。

どういうことかというと
色のついている質問は、相手の心をその色で染めようとします。
相手が持つ色と混ざって色を変えたり、濃い色ならば元色をかき消してしまいます。
相手はその色でいたいのに、無理矢理外から色を混ぜてくる。
そういう避けられない外力が質問にはあると思うのです。

質問は気をつけなければ、質問者の意図にべったり染まった色になる。
質問者の意図とは、質問者のエゴです。
業務を遂行したいから、話の種にしたいから、情報のイニシアチブを握っていたいから
という個人理由のために、多くの人間の心が塗りつぶされていきます。
この場合、どういう質問かというと、発言小町でも取り上げられていた
薬局で聞かないで!」であったり、「彼氏いるの?」という質問であったり。


反対に透明な質問とは、質問者の意図が透明(純粋)であるか、意図がない状態を
言います。
空を見上げて「今日は、お天気崩れそうですか?」と聞いたり、
尺取り虫を見つけた子供が「ちょーヘンなの。どうやって動いてるの?」と大人に
質問するであったり。

その質問をすることで、相手の心に少なからず色を塗ることになるのなら、
それを意識し、できれば最小限の色染めに留めることです。
例えば、薬局で聞かないで!は、薬剤師に聞かれることよりも、周りに人がいる
状態で情報が筒抜けであることへの不快感が原因です。
ならば、情報が筒抜けという部分に関して配慮すれば、色の染まる範囲は抑える
ことができます。


質問をする権利は、皆平等に有しています。
ですが権利があるということは、義務もあるということです。
その義務がないがしろにされ、一部の人間が横暴に色を塗りたくった質問を
周りに投げつける・・・。
色を塗る責任が全然取れていません。

武器を持つ人間は、その武器の恐ろしさを肝に銘じて、武器を扱わねばなりません。
言葉という武器を使った質問という攻撃を、武器の脅威を知らない人間が、
繰り返している現状は、横暴な巨人の暴走に見えます。


正しく質問をしているか?
という問いに正解はないと思います。
それでも一度は立ち止まって考えて欲しい。
質問という武器という脅威を。そしてどうやったら脅威ではなく、透明になれるのかを。
そこから、言葉の在り方が見えてくると思いますから。