カウンセラーになる壁

自分が本格的なカウンセラーになるのかどうか、悩めるところです。
昨晩Sさんと話をしていて、

「患者さんが2人いて、一人は全然回復しない、一人はKOMAさんの治療に疑問
を持って辞めてしまっただったらどうするの?」

という疑問を投げかけられました。

今の自分に圧倒的にないもの。それはありのまま受け入れ、悪いときも我慢して

耐える心です。

人は思い通りに動かすことなどできない。
その人その人の持つタイミングで変化が起きます。
それまで支える側はただひたすらに待つ。そして相手が離れたいといえば、それを
認め自己を反省する。でも自己否定はしないということが必要です。

カウンセリングは全ての患者が完治する可能性は低いです。
寛解なら、まあまあの確率で目指せるでしょう。
しかし完治となると1割でも御の字。
それほど、生き方をガラッと変えるのは容易ではありません。
かくいう私も自分が完治したのかといえば自信がない。

完治、即ちニーチェのトゥラツゥストラでいうところの、”小児”に抜けられる人は
ごくわずかなのです。

でも、もし私が全員の完治を望めば、自分が悩みの渦中に落っこちてしまいます。
ある意味で、治らないことがあっても、それをそのまま受け取る図太さや、割り切り
が、長くカウンセラーを続けていくコツなのです。

私は自分をカウンセラーとして、観察から心の底を見抜く繊細さと常識に縛られない
自由な発想という点で素質があると思っています。
一方、カウンセラーとして耐えねばならない精神的重りへの免疫力や、自分の
置かれた状況をありのまま受け入れる鷹揚さがないと思っています。

世の中にはたくさんのカウンセラーがおり、カウンセラーになる前にここまで
考え込んだ人、そうでない人、いるでしょう。
私は考え込んでしまうタイプなので、Sさんからの問いかけに自分が答えを出せる
まで、なかなかカウンセラーになろうとは思えないんです。