本当の自分を知る機会
アダルトチルドレンは常に他者のことを気に掛け、自分を振り返ることができません。
自分がどう考えているか、もはや分からなくなっている。
それでも、日常の中に”自分を知る機会”はあります。
それは
自分が寝ている時間に物音を立てられると「ウルサイっ」といらつくとき
なんでまたこのタイミングを「本当の自分が出ている機会」だと言い張るかというと、アダルトチルドレン(AC)のフィルターがかかりにくいからです。
通常、生理欲求の前に人は自分を抑えることが難しい。
お腹が空いている人が食事を取らないことは難しいし、トイレに行きたい人がトイレを我慢するのも難しい。
眠りたい人に起きていろというのも難しい。
でもACは我慢できる限界まで我慢します。
いつも頭が「アンタは一番最後、我慢しなさい」と命令しているので、お腹が空いていても「自分だけが食べていいのかな」、トイレに行きたくても「目の前の人が楽しそうに話しているのに中座できない」、眠くても「勉強しなくちゃ、仕事しなくちゃ」とスーパー自分を律します。
そんな特性のACが唯一頭の支配から逃れることが出来るのが、睡眠中。
頭は一日己を抑えるために働き詰めで疲れているので、寝ている最中は休眠状態です。
そこで偶然眠りを妨げる騒音がした。
そのときは心が「ウルサイっ」と出てきます。
少し意識がはっきりすると「ウルサイっと言えば相手は気分を害するかな」という頭が働きますが、その前なら間違いなく心だけで自分全体を乗っ取れてるのです。
心が身体を乗っ取っているときには、自分の感情と自分が一体化しています。
無理とか繕いとかなくて、「ウルサイっ」と思った感情をそのまま認めている。
それがいいんです。それがACを克服する鍵です。
本来は生活の中に、「ウルサイっ」を自分で認める瞬間と同じ感情が混ざっていてよい。
なのにACは終始いい子でいるために、理不尽な要求に「No」と突っぱねられない。
これこそが異常なんです。
ずっと我慢する必要なんてない。
自分の感情が分からないと悩む人間でも、このシチュエーションなら自分の心[ウルサイッ]が分かるのではないでしょうか。
カウンセリングにおいて自分の心を出してくださいと言われても、強烈な頭支配下では理性的に振る舞い、己を律することしかできません。
だからもっと本能的・無意識的なところまで話を落として自分を見つけさせる方が、自分を取り戻すのに有効だと思います。
やり方さえ工夫すれば、自分の感情に気づき自分を取り戻せます。
もっともっと考えて、クライアントに敷居の低い治療をを見つけたいと思います。