自分の側から見る人と別の目線から見る人

ある方から大福をいただいたとしよう。
その大福はたいそう美味しかった。
で、後日。
「あの大福とっても美味しかったわ~」
と言えば、なんら問題ない会話のように思う。

でも、もう一歩踏み込んで、
「おかげさまで、とっても美味しい大福をいただきました。」
と言った方が、より印象がいい。

2つの差はわずかでありながら、片側は自分目線の返し、もう片側は相手の貢献を念頭に置いた返しと、そのスタンスには大きな開きがある。


不人気者と人気者の違いはこういう微々たる差から生まれるものだと思う。
不人気者と一緒に居ると楽しさは平凡レベル。感情に上がりがない。
人気者と一緒に居るとなんとなく自分に肯定的な気持ちになれ、ぐっと力が湧いてくる。

一緒に居て楽しい気持ちになる人は、次回も会いたくなる。
そうやって人気者の人気はぐんぐん上昇する。

そういやぁ~、自分はそんな人気者じゃないなぁ~と拗ねることはない。
ただ、今自分目線で物を言っているのを、ちょっと視点を変えて相手の貢献を口にしてみると、少しずつ人間関係が改善していく。

ベストセラー「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健著)の中で、哲人は「幸福とは貢献感(わたしは誰かの役にたっているという感覚)である P252」と述べている。
それを反転すると、他人に幸せをもたらせる人は、他人の貢献を口にする人なのである。

小さい頃の人気は容姿や家柄(おもちゃをいっぱい持っているとか)、資質(運動神経がよい)に依るものが多かったが、大人になったら目先のものより一緒にいると落ち着くとか気分が良くなるとかといった、つかみどころない、でも確実に雰囲気としてそこにあるものに人は引き寄せられる。

だから今、おや?自分はどういう目線だ?と感じたなら、一度自分を振り返ってみるといい。そうすることで、もう一皮むけた大人になれるよう感じる。