「ありのまま」のホントの意味

少し前に「アナと雪の女王」という映画が大ヒットし、テーマソングの”ありの~ままの~姿見せるのよ~、ありの~ままの自分になるの”というフレーズを多くの人が口ずさんだ。

そして、妙齢の男女が「そうか!ありのままで良いんだ!」と勘違いして、[今の私を受け入れてくれる誰か]を求めて婚活。
見事撃沈・・・という話をちらほら耳にした。

ありのままでいいんだ!と歌われながら、ありのままにしたら上手くいかない。

どうしたらいいのか混乱した人が少なからずいたのではないだろうか?

このズレが発生した原因はひとえに、「ありのまま」という日本語を取り違えたせいだと思う。
ありのまま、は、そのままではなく、有ること、即ち存在することに肯定感を持ちましょうという意味。
否定から入ると、存在を否定することに全力を注いでしまい、元がどんな輝きのある存在でも、誰からも見向きもされない石ころに化けてしまう。

たとえて言うなら、
畑から泥つきの大根を抜いて、「このまま食え」と渡されても誰も口にしない。
だからといって、「地球から大根無くなれ!」と言われているのではない。
けれど大根の存在そのものを否定してしまうと、ぶり大根にしたらいいかな?いや大根サラダか?という大根を輝かせる方に思考が向かない。
輝く場がない大根は、泥まみれのまま萎びて捨てられる。
という状態。

つまり、ありのままは手を抜いていい、という意味ではない。
素材の良さを認めて、周りからよく見える様に加工しましょうね、という意味。
そして加工の仕方は、他人から美味しそうに見えれば、あなたのオリジナル料理でいいんですよという肯定が込められている。

ACは自分を愛しましょう、好きになりましょうなんてハードルの高いことを考える必要はないと思う。
そうなるまで待つで。
意識を「どうやれば素材がもっと輝くか?」に向け続けていれば、いつか自分に対する否定が薄らいで、自分を肯定できちゃったという日が来ます。

思考で気持ちは変えられない。
ならば気持ちを変える目的ではなく、思考の向かう方向を変えれば良い。
それが「ありのままの」方向なわけです。

上手く伝わったでしょうか?