カウンセリングをプロの水回り清掃業者にたとえて考えてみると、けっこう分かりやすい。
プロの清掃業者がやること
水回りの大敵と言えば、水垢とカビ。
業者は専用の道具を使って、きれいに汚れを落としていく。
2時間後、ピカピカに仕上がった水場を見て、依頼主はにっこり。「これですっきりしたわ」と。
水回りは1年に一度、このようにプロに頼めばいい。
では心はどうだろう?
心をケアする人がやること
心をすさませる元凶は、溜まりに溜まったストレス。
心理ケアのプロは言葉という道具を使って、丁寧に聞いていく。
思いの丈をはき出した患者は、心も軽やかににっこり。「聞いてもらうと、心がすっきりしたわ」
こうやって週に一度、延々と話をきいてもらうのだろうか?
カウンセリングは患者を依存させてはいけない
緊急避難的に話をきいてもらい、心を軽くすることは大事だろう。
しかし、ずっとそれだけ、軽くするだけでは、いつまでたっても自立の目処がたたない。
そんなことをして、患者のためになるのだろうか?
本当は、清掃業者で言えば水垢やカビが付かない日常の手入れ方法をレクチャーする、みたいなことをやらなくちゃいけない。
毎日の積み重ねが、美しい水回りを保つ秘訣であるのと同様、小さなわだかまりのケアの積み重ねが、健全な心をつくるコツなのだ。
カウンセリングのゴール
あなたが受けているカウンセリングはケアの仕方を身につけていけているだろうか?
それとも、溜まりきったストレスをその場で解消しているだけだろうか?
自分でやる方法はまどろっこしいし、手間も掛かるので、つい手軽な他人によるケアに頼りたくなるかもしれないが、長い目でみたら、確実に自分で出来る方が強い。
カウンセリングを通じて、強くしなやかになれる方法を獲得して欲しいと願う。