起業のハードルが下がり、参入しやすい時代になった。
とはいえ、まだまだ成功者は数少ない。
そこで成功と失敗の分岐点はどこにあるのかを考えてみようと思う。
惜しみなく与える人は、大成功と大失敗をする?!
年末と年初の2回図書館に行って、「館内にあります」と検索画面に出るのに出会えずじまいの本がある。
この本だ。
しょうがないので、レビューを読んでいたら、GIVER(ギバー:人に惜しみなく与える人)、TAKER(テイカー:真っ先に自分の利を優先する人)、MATCHER(マッチャー:損得のバランスを考える人)の内、ギバーがもっとも大きな成功を得ることが出来、もっとも成功できないと書いてあった。
同じギバーなのに、両極端な結果になるのはなぜ?
俄然興味がわいた。
与える人が成功する理由
成功する人は、与える→相手が感動する→相手が返す→自分が潤う→与える・・・のループを上手く回せている人。
相手が想定しているよりもずっと上のものを与えることで、感動を呼び起こしている。
ここで鍵となるのは、「想定しているよりもずっと上」ということ。
想定内の与えるは、単に印象が良くなるだけなので、相手は返そうという気までは起こらない。
ここで言う想定内とは、金銭やモノの量を指すのではなく、むしろ心配りや未来への見通しといった「観る力」に依るものを指している。
”こんなことまで考えてくれていたんだ!”と相手が感じた時、そこには成功のループが生まれる。
与えるが失敗する理由
失敗する人は、与える→相手が図に乗る→もっと寄越せと迫られ搾取される→貧しくなる→次の成功を信じて与える・・・のループにはまっている人。
相手が想定している範囲、またはそれ以下を与えることで、相手の強欲さに火を点けている。
こうなる理由は、「与える」が主体的ではないこと。”与えるくらいしか自分には価値がない”と思い込み、もっているものを差し出して、自己承認を得ようとする。
当然ながら、その魂胆は相手に見抜かれ、”もっとオレに与えたら、認めてやるよ”とふんぞり返られる。
もちろん、相手の想定を上回るものを与えることも、自己承認が得られることもない。
あなたならどちらと付き合いたいだろうか?
どちらも与えてはくれる。
ただし一方は感動をもたらし、一方は強欲さに火を点けてくる。
どっちがあなたを満足させられるだろう?
言わずもがな、前者である。
それだけではない。前者とつきあうと、与えることの豊かさを学ぶこともできる。
付き合いたいということが、その事業を応援したい、関わりたいという気持ちに繋がっていく。
成功の鍵
自分だけが存在する小さなループでの、与える行為は、等倍の恩恵をもたらす。
一方、自分+他者、自分+組織、といった大きなループでの、与える行為は、3倍にも4倍にもなった益をもたらす。
どこに焦点を当てるか、で、返ってくる報酬には、何倍もの差がでる。
「試合に負けて、勝負に勝つ」とはまさに、焦点の差による違いを言い当てている。
出発点が、我が欲なのか、その他の欲なのか、を意識したとき、小さく成功へ近づくのだろう。