便利な言葉だなぁ~落選の時の「不徳の致すところ」って

投票には行きましたが、選挙特番はみていません。
今も変わらず、落選した人は「わたくしの不徳の致すところです。」と言って去ってくのでしょうか。

私はこのあつらえたようなセリフ「不徳の致すところ」が好きではありません。特に選挙に関しては。
なんだか「決めゼリフ」みたいに聞こえるのです。
落選したらこれさえ言っておけば角たたないし、殊勝に見えるよね、みたいな魂胆を感じるのです。

本当はショック真っ最中なときの反省が一番効いてくる。
その反省がきちんとしたものであるならば出馬した意味もあるんじゃないでしょうか。

どんなに有能であっても、結局問われるのはどん底のときです。窮地に立たされたときにどう身を持ちなおせるか、というのが政治家の資質の一つだと思うのです。

叩いてホコリのでない人なんて一人もいません。いつなんどき弱みを握られるかもしれない。そんなとき弱みを強みに変えられるくらいの力量がなきゃ、世の中を渡っていけないでしょう。
政治家目指すくらいなら、使い古したセリフじゃなく本音で反省して、別の人に投票した有権者に「あぁ、この人に投票すればよかったな」と思わせなきゃ。

だって、全国放送ですよ。街頭に立って声を張り上げるより効率的に自分の人となりを知ってもらえるチャンスじゃないですか。それをものに出来なかったら、いつ有権者に自分を知ってもらう? 選挙前にポスティングしたって見やしません。でも今なら目を引く反省コメントを言えただけで、ネットニュースが取り上げてくれる。

小選挙区はどこの党に所属しているかより、どんな人柄かが決め手です。自分を知ってもらって、自分に投資(投票)してもらって、議員にさせてもらう。だとしたら、自分ファンをどれだけ増やせるかが重要です。思い出に出馬するならともかく、絶対に議員になるぞ!という思いがあるのなら、落ちたその瞬間こそ次の選挙のスタート。

フィギュアの選手が試合直後のインタビューで、「ここが悪かった。」と即座に反省しているでしょう。それと同じだと思います。

「不徳の致すところ」よりももっと自分の心に、そして有権者の心に迫る言葉を考えてみてはいかがですか?