香害に悩む人へ、言い方をこう考えてみてはいかが?

香り付き柔軟剤による「香害」が話題になって久しい。

職場で、ぷんぷんと香りを立たせているあの人になんといっていいのやら?
はたまた、体臭を漂わせてる人にどう気づいてもらうのやら?

いろいろと頭の痛いことだろう。
だが言わねば自分が苦しい。そんなとき「どうやって言葉をつくったらいいだろう」と悩む方へ、言葉の作り方をご提案できればと思う。

香害の言葉の作り方

【1】まずは自分の頭の中を整理する
ここはストレートな表現を出してみよう。
たとえば、「あなたの服の臭いがキツすぎて、私に健康被害が出ている」

【2】ストレートに言われたときの相手の気持ちを想像してみる
「は?そんなの知らねーよ。過敏なんじゃね?」

【3】相手の頭の中を想像する
そもそもなぜ、柔軟剤が必要なのか。それは、服がクサいから。そしてクサい人だと思われたくないから。

【4】相手への敬意の払い方を決める
では、自分は、相手のクサいという悩みを知った上で、どうできるのかを考える。このとき肝となるのが、「敬意」という概念。
けして相手を傷つけたり、卑下したりすることなく、むしろ大切に思ってるんですよとさりげなくメッセージに込めた上で解決策を示唆する。

【5】言葉を作る
では敬意の部分を作ろう。ー同じ仕事仲間として○○さんと上手くやっていきたいー
困っていることはなにか ー柔軟剤の匂いで苦しいー
相手の頭の中を想像して解決策がないかを考える ー私なら生乾きの臭いと取る方法を教えられるー

これらを総合すると
「○○さんと上手くやっていきたいなと思ってるんですけど、そばに寄ると柔軟剤の匂いで息苦しくなってしまっています。生乾きの匂いをとる方法なら知っています。洗濯のことでお手伝いできることありませんか?」

これと、ストレートな物言い「服が臭いので、柔軟剤止めてください」を比較するとどうだろう?

前者は敬意があった上で問題解決の協力も申し出ているのに対して、後者は敵視した上で解決策も丸投げという手段に出ているのがおわかりいただけるだろうか?
こちらが敬意を持って接すると、相手はそれを無視することはできない。言葉というのは、それほどまでに縛りを生み出すものなのだ。

体臭の言葉の作り方

体臭の場合は、体質に帰属するので、もう少し慎重になった方がいいと思う。

直接ではなく、上司から言ってもらう。ただし言葉作りはこちらでやる。
やりかたは上と同じ。

【1】まずは自分の頭の中を整理する
「クサいからなんとかして」

【2】ストレートに言われたときの相手の気持ちを想像してみる
「そんなこと言われたってどうしようもないよ。人をゴミみたいに言うんじゃねえ」

【3】相手の頭の中を想像する
「人にクサいだなんて、思われたくないな。」

【4】相手への敬意の払い方を決める
○○くんは出来るヤツなんだ。こんなところでつまづいて欲しくない。

【5】言葉を作る
では敬意の部分を作ろう。ー臭いの問題で○○くんの評判を下げたくないー
困っていることはなにか ー体臭で周りが困っているー
相手の頭の中を想像して解決策がないかを考える ーやり方の相談に乗ってみるとか、どうかなー

これらを総合すると
「君の評判を下げたくないんだ。だから敢えて厳しいことを言う。
聞いてくれるか?
体臭のケアをしてくれ。やり方は分からなければ相談に乗るから」

ポイントはコレ

香害、体臭の例を見てどう思われただろうか?

”いや、これじゃないでしょ”と感じられた人もいるかもしれない。ただ覚えておいて欲しいのは、「ストレートに言ってはいけない」ことと「言葉は作るものだ」ということ。そして「敬意を込める」こと。

敬意を込めれば、相手はキレずに聞いてくれる。敬意があれば、なんとかそこに踏みとどまってくれる。だから相手の好き嫌いにかかわらず、敬意の要素を込めなければならない。

だがここで理解を誤って、相手にへつらってはいけない。自分の身を削ったと感じない限界を探して、相手を敬えそうな点(たとえば一緒に働いてくれてるとか)を探して、それを文言のトップに据える。そうすれば、我が身を守りながら相手に「オレをバカにしてるんじゃないんだな」と思わせられるので、その先の言葉が届きやすい。

どんなに辛くても我慢すればいい、のではない。敬意という最強のツールを使って、自分の生きやすい環境を作り出していこう。