「私こんな扱い受けました!納得いきません」という人ほどその扱いから抜けられない

会社でもプライベートでも失礼なヤツは一定数います。ヒドい態度を取られると「私こんな扱い受けました!納得いきません」とおっしゃる。そして溜まった怒りを出すために周りに話して回る。

こういう場合、たいがい同意してもらえません。聞かされた方から「知らんがな…」と思われてしまう。ではどうすれば、同意が得られるのでしょう?

嫌な感情をぶつけられるのは誰だって嫌

自分が頭にきてても、聞いてる相手はそうじゃない。熱量には差があります。それを勘案することなく怒りにまかせて話されると、周りは嫌な気持ちにさせられてしまいます。それも怒りに取り憑かれた人は冷静さを失っているので、起承転結がハチャメチャ。話せば話すほど、「えっ?何言ってるかわかんないんだけど」と思わてしまう。

人は失礼な扱いを受けたら怒るように、わかりにくい話をされても腹が立ちます。どんなことがあろうとも、聞く人への敬意(この場合はわかりやすく話すこと)を忘れてなりません。

では、わかりやすく話せば同意してくれるのでしょうか?

理解と同意は違う

いいたい事は分かった。だから即同意してくれるかと言えば、どうでしょう?

理解と同意は違います。
いくらわかりやすい説明でも、自分に都合の良い風に話されると、聞いてる周りはしらけます。たとえば相手は誠意ある態度を示していたのに、たまたまタイミングが合わず、約束が流れてしまったというケース。この場合タイミングの問題だから、相手の謝罪を期待するのは間違い。でも誰かのせいにしないと気の済まない怒り主は、「謝ってこない相手が非常識!」とひたすら相手を責めつづける。

こういうのを聞かされると周りは表に出さないけど「うわぁ~、自分勝手でサイアク」と思います。的外れな指摘は周りをゲンナリさせます。怒りの主は理解も同意もして欲しいのでしょうが、そうはならない。
それどころか、「この人、責任なすりつけて来そうだから疎遠にするのが無難」と思われ、遠回しに扱いが悪くなる。結局のところ、誰かに自分の機嫌を取って欲しいという依存的な考えをしていると、理解はしてくれても同意はしてくれないのです。

楽勝な人生はありえない

ということで、同意を得たいなら的を射た答えを探す。これ一択です。誰が問題なのか?ではなく、どういう判断や考えが問題なのか?を探す。
これは簡単そうにみえて、難しいです。なぜなら、きわめて冷静に物事を見抜く太い心が必要だからです。

そもそも細くて壊れやすい心があるから怒りに飲まれているのであって、太くて丈夫な心ならばそこまで感情に流されることはない。
結局、「怒りをぶちまけて精神的に楽になり、周りから呆れられる」「頑張って怒りを静めて問題の本質を見抜き、味方を増やす」のトレードです。

楽だけど実りがないを選ぶか、精神力がいるけど実りを得るを選ぶか。どっちにしたってタイヘンなことに変わりはありません。そのタイヘンさを回避していたい、誰かにタイヘンさを押しつけたいという依存的な考えこそ、同意が得られない一番の原因なのです。

人間どこかで腹をくくらねばなりません。