マシンガントークする人とのつきあい方

黙っていると何時間でもしゃべり続ける人っていますよね。そういう人の話しぶりをマシンガントークといいます。
マシンガントーク中は口を挟むことができません。だから「トイレに行きたい」でさえ口に出来ず、我慢を強いられることもあります。
ちょっと困ったさんのマシンガントーク。付き合うにはどうしたらいいんでしょうか?

考えてみようと思います。

マシンガントークのエネルギーはどこから来る?

マシンガントークのためのエネルギーってどこから生まれるのか、分かりますか。

体力に恵まれた人だけがマシンガントークをするのではありません。むしろ老齢のやや体力の衰えた方ほど、ガンガンしゃべられる。それもしゃべるほどにパワーがアップしている。

話すのは、人を元気にするものなんでしょうか。

実はそうです。
彼らにとって話すことはエネルギー充填になります。話すほどにエネルギーの源となる「不満」が溜まっていく。
「うん?不満」と思うかもしれません。でも話している人が満足するほど聞き上手な人って滅多にいません。だから話せば話すほど「ちゃんと聞いてもらってない」と不満が溜まっていきます。

その不満がしゃべる力を生み出していく。それゆえいつまで経っても終わらない。

しゃべり続けるのは自分で自分の話を聞けないから

我々はマシンガントークをしないけど、彼らはする。その違いは、自分で自分の話を聞けるだけ成長しているかどうかです。人はなんでもかんでも他者に聞いてもらうわけにはいきません。24時間捧げてくれる他人などどこにもいないんですから。だいたいの人は自分と話をして、些細なことを消化します。特別衝撃の大きいことだけ誰かに話したり、SNSに書き込んだりする。こうやってバランスをとっています。

ところが自分と話しができないと、なんでもかんでもため込んでしまって、パンパンにふくれあがってしまう。そこへちょっとでも受け取ってくれそうな人が現れたら、一も二もなく吐き出してしまうことでしょう。もちろん遠慮や思いやりの入り込む隙間はありません。ですからこちらがどうあろうとお構いなく彼らはしゃべり続けます。

マシンガントークを収めるには?

では余裕のない彼らに黙ってもらう方法はあるんでしょうか?

あります。彼らの「わかってくれている」感を満足させることです。

具体的には、「わかってくれている」と思わせるフレーズを挟み込みます。相づちをやめて、しゃべりの一つ一つを丁寧に扱うようにします。
たとえば「ちゃんと聞きたいから、ゆっくり間を置いてしゃべってくれない?」と言ってみる。すると彼らの頭の中に、「この人は今まで会ってきたタイプとは違う人なのでは?」という疑問が浮かび上がります。そして一つ話題が終わったら次の話題にいくのを阻止して、「それは何が一番引っかかったの?」や「どうなって欲しかったの?」とわざと話を掘り下げる方向に話を振ってみる。いろいろ聞いたあとで最後に、「本当はその時、○○な気持ちだったんじゃない?」と斬り込んでいきます。
すると彼らの中に「この人は分かってくれようとしている」という安堵の気持ちがわいていきて、少しばかりトーンが落ちます。

やがて暴走が止まります。

きっと彼らは安堵して話したことがなかったしょう。とにかく今この瞬間に腹の底に溜まってるものを吐き出さなくちゃと必死だったのだと思います。
人に信頼をよせ、人から信頼をよせられ、という経験がない。だから目の前の今を消化しよう、しか頭にない。
でも消化に励めば励むほど、リアクションは薄くなる。手応えが感じられず空しい日々を送る中で、本当に話を聞いてくれる人が現れた。彼らは初めてグワシッと掴むものに触れ、かなりの衝撃を受けたに違いありません。

もしかしたらトーンの落ちた自分をみるのでさえ初めてかもしれない。信頼をベースにするとそんな不思議な空間を作ることが可能です。

ベストなつきあい方って?

ちなみにこのような会話スタイルは、カウンセリングに近いものがあります。ですから本来であれば対価が支払われるくらいの負荷が発生する。ということで、あまり頻繁になさらない方がいいです。

彼らがマシンガントークにならざるを得なかったのは、彼らの両親や養育環境のせいであって、こちらとは無関係。話を聞いてあげるほどの責務はないのです。無理をしない範囲で聞いてあげるにとどめましょう。
あまり聞いてあげると、「あなただけには本心がさらけ出せる」と依存心を引き出す可能性もありますからね。人に厳しくすることも、また「愛」。

本人の問題は本人、ないしはプロに解決してもらいましょう。