やたらと電話をしてくる母親と、どう接すべきか?

かなりの数の娘が、母親からの電話に怯えています。中には、電話が鳴っただけで、動悸がして寝込む人もいます。それほど、母親からの電話を負担に感じているのです。

その一方で、しつこく繰り返されるそれに、どう対処したらよいかは、どこにも明言されていません。これが唯一の解、というわけではないが、一つ参考にしていただけたら、と思います。

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なぜ負担なのか?

先に書いた記事親って子に罪悪感を植え付ける天才? - 心の流れBlogで、「親は常日頃、子供に罪悪感を抱かせるように躾けてきた」というお話をしました。

親の言う通りにしない子は罪である、をすり込まれた娘に、従わない選択肢は存在しません。母親の前では自分の意見など、ないに等しい。その不自由さが、心にずしりと重くのしかかってくるため、ひどく負担に感じているのです。

自由のない中で生きることは、誰もが苦しい。ただ、自由がないにしても会社は苦しさの代わりに賃金をくれますし、なんだったら退職して、苦しさから解放される選択肢は残されています。

そういうメリットも辞める自由も剥奪された奴隷のような今の生活には、光が見いだせず、心が沼の底へ底へと沈んでいるのです。

本当に自由はないのか?

けれども、どこにも自由がないのかというと、そうではなく、柔軟に考えれば、突破口はあります。

たとえば、電話に出なかったとして、折り返す気もなく放置して、それに文句の電話が入ったとき。
「なんで出られなかったの?折り返しくらいできるじゃない。お母さんのこと無視する気?」と言われたとします。

ここでまずやることは、まともに受け取らないことです。

まともに受け取ってしまうと、「忙しかったの。無視する気なんかないよ」といったナヨっとした回答になります。やりたいのは、「くだらない電話してきたら、だだじゃおかないからな!」という力強い脅し。

そのためにまず母親の言わんとしていることを考えます。この場合は、”お母さんの要望に応えるのが娘の責務でしょ”というところでしょうか。

次になぜそう思うのかを考えます。”お母さんは気を許せる友だちもいないし、寂しい。娘が唯一の話し相手。”

ここまできて、電話でたたみかけてくる理由が、寂しさにあったと分かりました。では、その寂しさはだれのせいでしょうか?娘でしょうか。

違いますよね。他ならぬ自分のせいです。自分が寂しいと思うから寂しい。反対に寂しいと思わなければ、寂しくないんです。100%ご自分の感覚。それを説いていきましょう。

まずは「お母さん、寂しいの?」と問いかける。続けて「お母さんの寂しさは、私にはどうにもできない。そして寂しさを紛らわせて欲しいと寄っかかってくと、みんな嫌がって逃げていくよ。もちろん私も。それでいいの?」

と、判断を預ける。その応酬こそ娘に残された自由なのです。やり返された親は、不意を突かれ、思わず黙ってしまうかもしれません。それでいいのです。ご自分の問題は、ご自分に引き取ってもらいましょう。「忙しいからまたね」とそっと電話を切ればいいのです。

依存は自分の代で断ち切ろう

母親の、そのまた母親もまた、娘に寄っかかって生きてきました。だから、その生き様は、その家に代々伝わってきたものなのです。しかし、娘であるあなたが引き継げば、そのまた娘に、同じ負担を強いることになります。

せっかく育てた我が子に、そんな辛い思いをさせていいのでしょうか。

依存体質は継承すべきではありません。誰もが自分の足で立ち、自分の心の世話をする責務を負って、毎日を生きてる。そこを逸脱した人々が、社会と隔絶し、ときに人間らしさを失った生活に落ちていく。

そういう人であふれた社会は、けしていい社会とは言えません。少なくとも身近にそういう人を生み出したくはないですよね。だから娘が小さい頃から、自分のことは自分で、自分の心は自分でけりをつける方法をやさしく諭しましょう。やり方に迷っていたら、一緒に考えていきましょう。そして親である自分の感情を自分で治める方法を模索しましょう。

あなた母親はもう高齢でしょうから、変わるのを期待することは難しい。けれども、自分と子供にならできます。依存は自分の代で終わらせるのです。