「聴く力」が求められている

うろ覚えだが、松下幸之助が石からでも学べると言ってた。石は動かないし、
自ら語らない、でも学ぼうとすれば、自然と学べるらしい。

きっと松下さんは対話の達人なんだ。声にならない声を拾うのがめちゃくちゃ

上手なんだ。
経営者というのは、会社の舵取りをするのが仕事。
「この製品は受け入れられるのか」、「役に立てるのか」、誰も教えてはくれない。
だけど、市場の声にならない声を耳を澄ませて聞けば、聞こえてくる声もある。
成功する会社の秘訣は、経営者に「聴く力」があることだと、どこかに書いて
あった。
当たり前だが、お客様がいるからこそ、商売が成り立つ。お客様の望んでいる
サービスが提供できて、会社として成り立つ。

そういえば視聴率の取れるドラマも「聴く力」に重きを置いて製作されている。
「臨場」なんて、亡くなった人の声を根こそぎ拾うことをテーマとしている。
「ジェネラルルージュの凱旋」も、主人公の田口先生が患者の心の声に耳を
傾けることから、病気の原因を探ったり、人の軋轢を解消したりしている。

ここから想像するに、現代は「聴く力」不足なのではないか?
不足しているからこそ、ドラマにその要素を求める。どこかで分かり合いたい、
繋がりたいと人は願っているのではないかと思う。

人を人として尊重できず、自分の延長のようにしか捉えられないから、思い通り
に動く欲望の対象として相手を見てしまう。そんな考え方から脱して、一人一人が
自分も他者も尊重できたら、世の中はもっと、自立していながら繋がれる世界
になるのではないかと思うのです。