アスペルガーの母親が定型の子を育てると、どんな未来が待ってる?

アスペルガーの母親が定型の子を育てるとどうなるか?

以前、子供の心理発達についての授業を見たことがある。
赤ちゃんは最初自分のことしか考えられず、不快ならば泣き声を上げてメッセージを伝える。
成長するに従い、言葉を介して意志を伝えることを覚え、さらには自分と他人の見分けがつくようになる。
そして最終的に、他人のことを思いやれるとこまで到達する。

しかし、このモデルは、親子が適度に心のやりとりをした場合に限る。
母親がアスペルガーで我が子の気持ちを分かってやれない場合、子供は気持ちを汲んでもらう経験を積めず、発達が止まることがある。

アスペ親によって育てられたいい人は友達止まり

気持ちを汲んでもらう経験がないと、人の気持ちを汲みとれない。だからはっきりと言葉に出てきたリクエストには応じられるが、言葉にならない気持ちを慮ることができず、従順で物足りない人になりやすい。

女性がよく口にする「あの男性は【いい人】なのだけど魅力がないのよね。」は、まさにその典型。
”困ったときに助けてくれそうにない”人は、恋愛対象から外れる。それは次世代に命をつなぐ役割を担う女性ならではの、危機管理能力ゆえだろう。

察しの悪いオトコは、生きながらえるにはふさわしくないとされるのだ。だから友達としてはともかく、その先はない。

心理的発達は後でフォローできない

では、成人してから人の気持ちが分かるようになれるのか。

そこで親を剥奪され、気持ちを汲まれることなく成長した子供の事例を紹介する。
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ドイツで、幼少の時から塔に幽閉されていたカスパー・ハウザーという人がいた。
ある程度の年齢になって、救い出された。
手厚い保護の元、カスパーは様々な技術を身につけた。本人の知能の高さもあって、だいたいのことは一般レベルまで出来るようになった。
ただ一点、他人の心を理解するというのが、どうしても出来なかった。
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このことから、幼少期母親と感情のやりとりがなかった場合、脳に問題がなかった(定型)としても、精神発達に問題が生じ、またそれを治療する手段がない。

だとしたら、アスペルガーの母親に育てられた子は、人の心を理解できないことになる。せっかく定型で生まれても、疑似アスペさんになる可能性が極めて高い。

アスペの親に育てられた子の行く先

親がアスペルガーの定型の人が親が定型の定型の人と深い人間関係を築こうとすると、どうなるのだろうか?

互いの関係を強化したくても、気持ちをくみ取れない壁が立ちふさがり、お互いが傷つき、力尽きていく。わかり合えないだけで、ボロボロになっていく。

こういう人間は一体どうすれば、幸せになれるのだろうか?
一人で生きていくことなのだろうか?わからない・・・。

《追記 2018/01/16》
これは私の配偶者のケースを取り上げたもので、記事を書いて8年後の今分かるのは、時間をかければ疑似アスペは緩和する可能性があるということ。

やり方としては、本人に責任を押しつけるのではなく、環境が発達遅滞を起こさせたということを前提に、人はどう感じているのかを丁寧に解いていく。すると、わずかながら分かるようになっていく。

彼らにとって「気持ちを汲み取る」とは、異世界の産物。それくらい相容れないものなので、人の感じ方を懇切丁寧に言葉にしていくことで、共通の理解を手に入れていく。その道のりは険しく一緒にいる側はストレスに感じるだろうけど、諦めずともに学ぶつもりでやると、よき方向に行くと思う。