他者の懐に飛び込むということ

朝、犬が私のそばに寄ってきて、しっぽふりふりしているのをみて、かわいいなーと
思った。
電車に乗ると赤ちゃんが、こっちをじーっと無垢な目で見つめたり、きゃっきゃと笑って
いるのをかわいいなーと思う。

心に壁がある大人は、黙ってにらんだり、目を合わせなかったりする。
だから、大人はかわいくないのか?

人間はミラー効果といって、相手の態度が自分にも乗り移ると言われている。

だから心の敷居が低い犬や赤ちゃんには、こちらも心の敷居を取り払って接することが
できる。
己の心の敷居を下げて、この効果を最大限に利用したい。

ただ思うは易し、行うは難しである。
単純に相手に寄っていこうと思っても、そうそうできるものではない。
なぜなら自分という核がないと、怖くて他者の領域にはいることができないから。
他者に取り込まれてしまったらどうしようと恐れて、かたくなに自分の殻に
閉じこもる。それではいつまでたっても、人間に近寄れない。

つまり相手の懐に飛び込んでいく柔軟さを備えるには、まず自分というものをしっかり
磨くことだ。
自分がないまま相手の懐に飛び込むと、取り込まれるだけでなく、自分を偽って
相手にへつらう窮屈な自分を演じなくてはいけなくなる。
何事もステップを踏んで進もう。